川崎フロンターレが選手層の厚さで劣勢をはねのけた。仙台に前半で2失点も、後半13分から2分間で2得点。同23分には途中出場のFW小林悠(32)が2試合連続2得点となる決勝ゴールを決め、09年以来11年ぶりの4試合連続3得点以上で逆転勝ちした。新型コロナウイルスの影響で再開後から5人に増えた交代枠を毎試合フル活用しての5連勝。過密日程の中、無敗で首位の座を守った。

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今季初の2点ビハインドも、追う展開も、川崎Fの強さを引き立てただけだった。後半13分、後半から入ったFW旗手の右クロスに同時出場した小林が頭で1点目。1分後には小林がDF山根とのワンツーで同点ゴールをお膳立てすると、同23分に小林が大島の右クロスをダイレクトボレーで決勝点。鬼木監督は「集中して戦えば必ず点は取れると思っていた。焦れることなくたたみかけたのは良かった」と選手をたたえた。

誰が出ても力を発揮できる。前半終了間際には絶好調のMF長谷川が負傷したが、交代で入ったFW三笘がドリブルで好機を演出した。交代選手がそれぞれ持ち味を出し、逃げ切った。

再開前最後の練習試合が快進撃の下地にある。6月27日、湘南に勝利したものの苦しめられた。「自分たちが人数の関係で交代できず、相手が交代をうまくつかって良いゲームをされた。交代でチームにいい効果をあげられる。大きな出来事だった」。鬼木監督は新型コロナの影響で5人に増えた交代枠を活用し、自慢の選手層をいかんなく発揮する策を選択肢に加えた。

再開後は全試合で交代枠を使いきっての5連勝。4試合連続3得点以上と加速度をつけながら首位を走る。タクトがさえる指揮官だが「逆転までいって気力を感じた。次の試合につなげていきたい」と勝ってかぶとの緒を締めた。【浜本卓也】

川崎F・FW小林(2試合連続2得点)「昨年から先制されると勝てない試合が続いていた。こういう試合で勝っていかないと優勝はないと思っていたので良かった。しっかり3点とってチームで勝ちきれてよかった」