白星が遠い。北海道コンサドーレ札幌はサンフレッチェ広島に0-2で敗れた。後半5分に先制点を許すと、反撃の糸口をつかめずに試合終了間際にも失点を許して完封負け。9連敗した12年以来の7戦連続未勝利(2分け5敗)で、3季目のミハイロ・ペトロビッチ監督(62)体制でのワーストを更新した。聖地、札幌厚別で迎えた9月リーグ初戦も、負の流れを止められなかった。

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ネットが揺れる気配はなかった。札幌がまたしても勝てなかった。相手の2倍、18本のシュートを放ちながら、最後までゴールを割れなかった。7月22日ホーム開幕の東京戦以来8戦ぶりに先発したFWジェイは「結果は残念だけど、試合の内容は悪くない。自信を持ってみんなで強く戦いたい」。言葉こそ前向きだったが、口ぶりは軽くはなかった。

ジェイは「自分のパフォーマンスはいつも通りにボールを持って、チームへとつなげられた」と、前半8分の左足や同16分のヘディングシュートなど一定の役割を果たした。ペトロビッチ監督も「何回か得点になってもおかしくないチャンスがあった」と認めるものの、札幌ペースの前半に無得点。ルヴァン杯準々決勝から中2日で迎えた一戦。後半5分に先制を許すと「試合の経過とともに疲労の色が濃くなっていった」と同監督。後半12分に大卒新人3人を含む4枚替えの奇策で執念を見せるも、ゴールをこじ開けられなかった。

リーグ戦最後の勝利は7月26日の横浜戦(3○1)。ストライカーを置かない“ゼロトップ”を初採用した試合で前年王者を破り黒星なく終えた7月から、一転して8月は白星を挙げられなかった。同じ6試合を消化して失点数は7月が5に対して、8月は17。指揮官が繰り返す「走る、戦う、規律を守る」。大事にしてきた信条が、過密日程で集中力や運動量、球際の強さが落ちる中で歯車が狂っていった。

7戦も白星から遠ざかっているのは8年ぶり。それでも9試合ぶりの無失点だった前節8月29日名古屋戦から再び従来の1トップに戻し、この日の試合でも改善のきざしはある。ジェイは「内容の中にはポジティブなものもあった。前向きな考えで頑張りたい」。中3日で次戦が待つ。過酷な日程は悔しさを晴らす機会がすぐに訪れることも意味している。【浅水友輝】

◆札幌のJ1連続未勝利 最長は08年の18試合(4分け14敗)。7月16日大分戦(0△0)からシーズン最終戦の12月6日鹿島戦(0●1)まで続き、チームはリーグ最下位の18位でJ2に降格した。2位は02年の10試合(1分け9敗)。5年ぶりJ1復帰の17年の最長は6試合(6敗)。ペトロビッチ監督体制では7試合(2分け5敗)が最長となる。