アルビレックス新潟はアウェーで松本山雅FCに1-3で完敗した。今季10敗目(14勝15分け)を喫し、順位を6位から8位にまで落とした。0-1の前半29分に鄭大世(36)がPKを決めて攻撃を活性化させたが、チームは体力が落ちた後半に2失点した。鄭大世はチームトップの8得点目。残り3試合で2桁得点を狙う。ここ4試合1分け3敗と白星のない新潟は次節(13日)、ホーム最終戦となるザスパクサツ群馬戦で勝利を目指す。

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強心臓の鄭大世はPKのやり直しにも動じることない。2度、同じコースに蹴り込んだ。前半29分に得た同点のチャンス。ボールを誰にも渡さず、セットした鄭大世は1度目のキックを左隅に決めた。だが新潟の選手がキックより先にペナルティーエリア内に進入したとしてやり直しの判定。「難しい状況だったが、あえて同じ方向に蹴った」。2度目もきっちり決めると「ドヤ顔」で敵地に駆けつけた新潟サポーターに向けて拳を突き上げた。

5バック気味で試合に臨んだが、バランスを崩し、開始早々に失点。同点に追いついてから攻勢に出たが、後半の立ち上がりに失点すると息切れ。前節から7人を入れ替えた相手と対照的にケガ人続出でベストコンディションで試合に臨むことができないチームには、反撃を仕掛けるパワーが残っていなかった。

それでも鄭大世は下を向かない。白星は逃したが、新しい布陣に手応えも感じている。「(1トップの)自分の近くで、2シャドーの(中島)元彦と(本間)至恩がいい動きをしてくれた。期待できるプレーもあった。次節も過程を大切にしながら得点を目指せれば」。J1清水から夏の移籍で加入した助っ人は移籍後23試合の出場でチームトップの8得点。自身3年ぶりのふた桁得点まであと2に迫った。「3年前ぐらい体は軽い。周りの選手といい連係を取れれば狙えるチャンスはある」と意気込む。

次節(13日)はホーム最終戦。「前線で存在感を発揮し、勝利につながる得点を奪う」。サポーターに勝利をささげるために、鄭大世がゴールを狙う。【小林忠】