全国高校サッカー選手権前年度準Vの青森山田は、2大会ぶり王座奪還へ“全集中”する。ダブルエースが「攻撃柱」を担い、MF松木玖生(くりゅう、2年)は前回大会で5試合4得点、MF安斎颯馬(3年)は今季主戦場のスーパープリンスリーグ東北で6試合14得点とゴールへの嗅覚は抜群だ。全国の難敵撃破へ“山田の刃”で雪辱を期す。

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1トップのすぐ後ろでゴールをうかがう2シャドーが、青森山田の破壊力を倍増させる。「左」の松木と「右」の安斎は得点力に加え、アシスト能力も高い。それぞれセットプレーのキッカーを担い、左足、右足から正確なボールを供給し、相手の脅威になる。黒田監督は「うちはどちらかといえばトップが点を取るより、シャドーストライカーみたいな選手が点を取るチーム」と表現し、両選手に大きな期待を寄せる。

大会屈指の注目株に挙がり「どっちも得点力というか得点感覚を持っている。いい意味でライバルであり、チームの勝利、得点に貢献できる頼もしい2人。守備時には松木が1枚下がることがチームの鉄則で、安斎の方がゴールには近いが、その安斎がマークされたときに松木が出ていったりもできる。大会得点王を争う2人として爆発してほしい」。1トップの先発はFW名須川真光(まさき、2年)とFW古沢ナベル慈宇(よしたか、3年)が争い、2シャドーと強力トライアングルを形成する。

指揮官は「今年は3年生中心に去年の経験者も多く、状況を自分たちの中で分析、判断して、行動に発揮できるのが強み。『昨年、埼玉スタジアムに置き忘れた優勝旗を今年はどうしても奪還したい』と1年間やってきた選手たちの思いに、我々スタッフも応えるべくやっていきたい」と並々ならぬ覚悟で大会に臨む。