J2ジェフユナイテッド千葉は20日、契約満了による退団が決まっていたDF増嶋竜也(35)が今季限りで引退すると発表した。

千葉市出身の増嶋は、市立船橋高から04年にFC東京に入団。ヴァンフォーレ甲府や京都サンガF.C.への期限付き移籍などを経て、11年から柏レイソルでプレー。主力としてJ1優勝(11年)、天皇杯優勝(12年)、ナビスコカップ優勝(13年)など、数多くのタイトル獲得に貢献した。18年から、柏からの期限付き移籍で地元のクラブである千葉でプレー。今年から完全移籍となっていた。

増嶋はクラブを通じ「ここ数年、引退を意識せざるを得ない状況だったのは自分でも少しずつ感じ始めていました。特に今年は出場機会になかなか恵まれず、精神的につらく苦しい日々が続きました。当初はこんな終わり方では納得できない、試合に出てやり切って引退したいと思う自分が常にいました。なので、先日皆さんには引退しないと発表したのですが、ここ数試合は出場することができ、試合を終えるたびに心に変化が生まれていきました。一度は続けたいと発表したこともあり正直悩みましたが、それでも今が引退するタイミングとしてはベストなのかもしれないと思うようになりました。一つはここ数年、サッカーをどう続けるかということよりも、どう終わるかということを重点的に考えている自分に気づいたこと。そしてもう一つは、新天地でもう1度チャレンジして引退することよりも、地元である千葉で皆さんに見守られて引退できなかったことを後悔するのでは、と思うようになったことで、この地での引退を決断するに至りました」と、一度は現役続行を希望しながら、引退を決断した理由を説明。

そして「今はプロとしての集大成がジェフで本当に良かったと思っています。子供の頃から憧れていたジェフのユニホームを着ることができ、一つ夢がかないました。また、たくさんのファン・サポーター、そして地元である千葉の皆さんに見守られ、プロサッカー選手として最後の日を迎えられたことを心より幸せに感じています」と千葉で引退を迎えることについて語った。

増嶋はこれまでのプロ生活を「千葉で育ち、市立船橋高校でプロに行くことを決意し、FC東京、ヴァンフォーレ甲府、京都サンガF.C.、柏レイソル、ベガルタ仙台、ジェフユナイテッド市原・千葉と6チームに渡り17年間突っ走ってきました。振り返ってみると壮絶なサッカー人生でした。プロの世界はとても厳しいところです。毎年1年が終わるたびに、来年もプロサッカー選手でいられるのか不安でした。一試合、一瞬で人生が変わってしまうのがプロの世界。毎試合が命懸けで、緊張の連続。そんな中でも素晴らしい人たちに恵まれ、たくさんの経験から多くのことを学び、高校からプロまでのすべてのタイトルを獲得できたのは僕の誇りです」と振り返り「これも一重に支えてくださったサポーターの皆さん、スタッフ、自分に関わってくださった皆さんのおかげだと心から思っています。そしてなによりいつも自分を一番近くで支えてくれた家族と両親にも感謝をしたいと思います」と感謝。

「正直、自分の思い描いていたサッカー人生とは少し違いましたが、大満足のサッカー人生です。サッカーで学んだ事を、これからは子供達をはじめ、たくさんのサッカーを愛する人たちに恩返しできるように頑張ります」と今後もサッカー界へ貢献していく意思を示した。