日本サッカー協会(JFA)は16日、21年シーズンの審判判定基準に関するメディア向けのオンライン説明会を行った。

昨季はコロナ禍の中断明けからVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)の導入が見送られたが、今季開幕からJ1で再導入されることが決まっている。

昨季の開幕カード、浦和レッズ-湘南ベルマーレで主審を務めたプロフェッショナルレフェリーの佐藤隆治氏(43)は「昨年VARが始まるにあたり『緊張感をもっている』と話したが、今年はそれ以上の緊張感がある。4チームが降格するのは、チームや選手、サポーターにとってもかなり神経質になること。現場でジャッジする審判にとっても、1つの判定、1つの試合が、昨年以上に厳しく、矢面に立たされると覚悟している」と、今季J1での試合をさばく責任感を口にした。

同時に「新型コロナ終息の手だてとしてワクチンが期待されているが、副反応が存在していて万能ではない。VARも同じだと思う」と持論を展開。「ハンドという難しい反則を的確に見極めるために、VARは効果がある。一方で副反応が存在する。サッカーに関わる方に、少しでも正しくVARを理解してもらうことで、副反応が少なくなると思う」と話した。

VARは全ての事象に介入できるわけでなく、<1>得点かどうか、<2>PKかどうか、<3>退場かどうか、<4>警告や退場の人間違い、という4つに限定されている。「ビデオ・オペレーション・ルーム」と呼ばれる部屋で、VAR、アシスタントVAR(AVAR)、リプレー・オペレーター(RO)の3人が、試合をモニタリングしながら審判員と交信し、間違いや見逃しを防ぐ。

昨季はオペレーションルームでの「3密」が問題視されていたが、今季はVAR、AVAR、ROの間に透明なついたてを設置する、マスクとフェイスガードを着用する、15分おきに換気をする、などの対策を講じた上で運用するという。

【杉山理紗】