FC東京には頼れる男がいる。DF森重真人(33)。24日、鳥栖に1-2で敗れてホームで痛いリーグ3連敗を喫したあとでも、口調に力強さは失われていなかった。
「残念だし、自分たちにがっかりしている部分もある。ただ、この状況を乗り越えるのも自分たちの力でしかできない」
まるで周囲のチームメートを鼓舞しているかのように、目には力がこもっていた。
不動のCB。加えて昨季の終盤からボランチもこなす。鳥栖戦ではそのボランチで先発した。森重からの展開が東京の攻撃をリズムに乗せることは、相手チームも分かっている。この日はボールを持ったところで3人に囲まれる場面もあった。
CBは東京五輪世代のDF渡辺剛(24)が急成長。若きリーダーとして引っ張っているが、それでも、森重がいない最終ラインは安定感が落ちる。2点を先行され、後半はより攻撃に出るための選手が投入されたことで、ベンチに下がった渡辺に代わって森重がCBに入った。「フィードだったり、DFで1枚はがしたりを前半はスムーズにやれていなかった。うまく落ち着けば自分たちの時間増えるかなと思い、意識した」。球際の強さ、積極的なロングフィード。言葉どおりのプレーで、芯が通ったチームは大きく攻勢に出た。
返した1点も森重。DF小川諒也の左CKを頭で合わせた。「ボールがよかったので、ゴールできる自信があった」とあっさりと振り返った。それよりも、失点が増えているチームを思った。人はそろっていたのに1本のクロスにやられた1点目、わずかなプレスの遅れを突かれてミドルシュートを突き刺された2点目。堅守・東京らしくない失点が続いた。
「1本のシュートで失点してしまうというのは、サッカーをやっていればあること。それをどう防いでいくのか。1人1人の気持ちや、あと1歩、半歩を寄せるこだわりが、防ぐことにつながる。細かいところの精度を高めたい」。
敗戦直後でも気落ちすることなく冷静に、取り組むべきポイントを抑えた。
試合数こそ異なるが、首位川崎Fとの勝ち点差は17ある。「後半のようにみんなが前向きに奪いにいく守備ができれば、どの相手にも優位に立てる。このイメージを持ちながら、どう守備をしていくかしっかり話し合いたい」。チームの苦境でも動じずに、前を見る。チーム最古参の男を中心に、東京がもう1度、看板の堅守を作り上げる。



