9年ぶりとなるJ1での采配は、悔しい完敗スタートとなった。

14日に発表された宮本恒靖前監督の解任を受け、松波正信新監督(46=強化アカデミー部長兼任)が、ガンバ大阪を指揮した。次期監督が決まるまでの暫定措置だが、18位に沈むチームを立て直すために再び、ベンチに戻ってきた。

「(2日間という短い準備の中で)選手たちは本当によく前向きに取り組んでくれた。その準備の中で前にかかる守備、攻撃だったりというのは少し出ていたんじゃないかと思う。ただ、前半で0-3というスコアにされたので、次の修正点としてしっかりと改善していきたい」

12年のG大阪はブラジル人のセホーン当時監督の成績不振で、開幕4戦目(公式戦では6戦目)から松波監督が途中就任した。当時37歳の最年少で初めて監督に就き、自身の指揮では9勝11分け11敗で、最終的に18チーム中17位でJ2に初降格していた。現役時代はG大阪一筋で活躍してきたFWとして、悔しすぎる経験だった。

その後はJ3ガイナーレ鳥取でも監督を経験し、この3年間はG大阪で強化責任者として支えてきた。宮本体制に苦渋の決断でピリオドを打ち、クラブを救うという使命感で暫定監督になった。

この日は会場に入る際はスーツ姿で、試合中はジャージーに着替え、試合後の記者会見は再びスーツに身を包んだ。きまじめな性格がにじんだ。

試合前日15日の取材対応では「(9年前は)そこ(目の前のこと)だけに集中してしまった部分があるが、今はいろんな仕事をさせていただき、少し視野が広がったのかなと思う。G大阪は守備は構築され、それをベースとして持ちながら、どうやって(ゴールを)狙うのかを整理した」とコメントし、この試合に出陣していた。

今季8度目の無得点試合となり、最低限の目標だったゴールは奪えなかった。それ以上に6戦未勝利状態となり、勝利は4月14日サガン鳥栖戦以来、1カ月以上遠ざかる。ホーム3連戦を3連敗で終えたG大阪は、松波体制2戦目として次節22日はアウェーFC東京戦に臨む。【横田和幸】