J1清水エスパルスは、横浜F・マリノスとガンバ大阪と対戦して、1分け1敗だった。横浜戦では、今夏に完全移籍したパリ五輪世代のMF松岡大起(20)が、加入後初先発を果たした。

ボランチの一角でフル出場した。持ち味の中盤でボールを奪いきる守備と、小気味よくパスを散らす展開力で、攻守に存在感を放った。それでも「満足していない。勝ちきれずに悔しい」と、勝利を逃した悔しさが口を突いた。ロティーナ監督(64)は「大起の移籍は、すばらしい契約だった。我々が重要視している、ビルドアップやゾーンディフェンスの部分で多くの貢献をしてくれた」と高く評価した。

連係を深める作業に余念がない。松岡が試合中にプレーが中断した場面や、ハーフタイムに味方と積極的にやりとりを交わすシーンが印象的だった。「味方の意図が分からないと、どういうプレーをするのか分からない。試合や練習の中でコミュニケーションを取らなければいけない」と明かした。

続くG大阪戦でもフル出場。早くも主力になりつつある。それでも松岡は冷静に足元を見つめる。横浜戦後に「まだ自分の課題がたくさんある。戦術理解や、個人のミスを減らさなければいけない。自分にベクトルを向けてやっていきたい」と話した。チームは現在14位タイ。J1残留を勝ち取る巻き返しへ、将来有望な若手のさらなる活躍が期待される。【古地真隆】

▽横浜戦得点経過 前半4分(清水)片山瑛一 前半39分(横浜)マルコス・ジュニオール 後半2分(横浜)エウベル 後半15分(清水)西沢健太

▽G大阪戦得点経過 後半37分(G大阪)山見大登