「姉妹校対決」を制して、絶対王者への挑戦権を手にした。八戸学院野辺地西が八戸学院光星を1-0で撃破。5大会連続で決勝に駒を進めた。0-0で突入した延長後半1分、FW町屋紅斗(3年)が値千金の決勝弾。7日には、17年から決勝で4連敗中の絶対王者・青森山田と冬の全国舞台を懸けて、“5度目の正直”に挑む。

今年もリベンジの舞台が整った。八戸学院野辺地西が、大会25連覇を目指す青森山田と5大会連続決勝でぶつかる。昨冬は0-3で敗れ、17年から続く同一カード決勝で4連敗中。1年時から悔しさをピッチ上で味わったMF木村大輝主将(3年)を中心にチームは結束。延長戦を制した上げ潮ムードで「頂上決戦」に挑む。三上晃監督(45)は「全国トップレベルの青森山田さんに立ち向かって、記念すべき100回大会で青森の歴史を塗り替えたい」とジャイアントキリングを巻き起こす。

“文武両道ストライカー”が、重苦しい空気を振り払った。0-0で突入した延長後半1分。左から中央へのアーリークロスにFW町屋が右足で合わせ、最後は倒れこみながらゴール。チームでは副主将、学校では生徒会長を務める優等生が試合のケリをつけた。指揮官は「ホッとしました。点数が入るまでが長かったので。(町屋は)成績も常に優秀で、文武両道で頑張る子です」と信頼を寄せている。

この日はシュート17本。だが、相手の5バックの守備に手を焼き、ゴールを割れず。三上監督は「粘り強い守備に、なかなか崩すことができなかった」。それでも、持ち味のサイド攻撃からゴール奪い、虎の子の1点を守りきった。

大きな敵に立ち向かう。決勝は宿敵・青森山田だ。木村主将は「強いのは分かっている。自分たちも何もやってこなかったわけではない。練習の成果を発揮したい」と力を込めた。全員サッカーで絶対王者に風穴をあける。【佐藤究】