J2ジュビロ磐田は2-2でV・ファーレン長崎と引き分けた。1点を追う後半31分にMF山田が同点弾。自陣のCKからクリアすると、MF鈴木雄がこぼれ球に反応。FWルキアン、DF小川大、MF山本康とつなぎ、最後は山田が左足で押し込んだ。クリアから相手ゴールネットを揺らすまでの時間はわずか「15秒」。鮮やかなカウンターだった。

試合は2度リードを許す展開から追いつき、ドローに持ち込んだ。指揮を執る服部ヘッドコーチは「勝ちたいという気持ちが出ていたゲームだった」。試合を振りだしに戻した1発はまさに、勝利を目指す姿勢が表れたゴールだった。

今季は人とボールが連動するスタイルを確立。引いた相手を崩しきる「遅攻」に加え、手数をかけずにゴールを奪う「速攻」の精度も上がってきている。来季のJ1昇格を決めた14日の水戸戦でもカウンターからダメ押しの3点目を奪った。

J1では組織的な守備を構築しているチームも多く、得点を奪って勝利することは簡単ではない。ただ、今季のJ2で積み上げてきた多彩な攻撃はJ1でも通用するレベルに近づいてきている。今季も残り2試合。さらにチームの成熟度を上げ、来季につなげてほしい。【神谷亮磨】

▽得点経過 前半4分(長崎)ウェリントン ハット 前半30分(磐田)鈴木雄斗 前半36分(長崎)都倉賢 後半31分(磐田)山田大記