Jリーグは24日、J2東京ヴェルディの永井秀樹前監督(50)が選手やスタッフに対してパワハラを行っていたことについて、クラブに対して罰金100万円およびけん責の懲罰を決定した。

東京VがJリーグに提出したコンプライアンス委員会報告書によると、同前監督がクラブ所属の選手やスタッフに対して「サッカーの指導に不必要に攻撃的な言葉や暴言」「不適切な指導や不適切な取り扱い」「人格等を否定する言葉や暴言」を行っていたことが認定されており、Jリーグ村井満チェアマンが裁定委員会に諮問し、懲罰が決定した。

Jリーグ側もクラブ取締役、管理職者らに直接事情聴取を行い、事実関係を確認。クラブ側の管理監督義務違反を認め、Jリーグの社会的信用を毀損(きそん)したものとみなし同処分を課すことが決定した。またJリーグから東京Vに対し、再発防止の徹底やハラスメント撲滅の意思をクラブ内全員にしっかり表明するように要望がなされた。

Jリーグは懲罰量刑を決定した理由として、<1>東京Vは21年7月に発覚するまで、監督によるパワハラに対する具体的な是正措置を一切講じていなかった。

<2>監督に就任した19年以降、監督と強化部の関係改善、相談窓口の設置やコンプライアンス研修の実施といったような、パワハラの発生を防止する対策を全く講じていなかった、の2点を挙げた。

その上で、20年12月に現経営陣となってからはクラブのガバナンスが改善されていると評価。社内規定や社内制度を変更し、コンプライアンス委員会も設置、内部調査報告書の提出を受けて速やかに関係者を処分するなどしたことが、酌量につながっていると説明した。