日本最古の高校選手権には、多くの記録と記憶が刻まれてきた。日本サッカーとともに歩んできた大会を振り返る「高校サッカー百年史」。オールドファンには懐かしく、若い世代には新鮮にも感じられる話題をお届けする。

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高校生たちが「聖地」に帰ってきた。国立での開会式は、1976年度に大会が大阪から首都圏に移ったときから恒例。元日開幕だった93年度までは、天皇杯決勝の「前座」だった。

首都圏開催が決まったものの、国立で試合ができるのは準決勝、決勝に出る4校だけ。関係者たちは「他の学校も国立のピッチを踏ませたい」と考えた。もっとも、正月の国立は過密日程。日本協会の提案が「元日決勝の天皇杯決勝前に開会式を行えば」だった。

当時の天皇杯決勝は寂しい観客数。選手や応援団が残ってくれれば、観客増で試合も盛り上がる。高校生にとっても国立のピッチを踏んだ後、日本最高峰の試合を観戦できる。日本サッカー低迷期、元日の国立のスタンドを彩ったのは、初詣を終えた振り袖姿の女性たちとチームカラーのウエアに身を包んだ高校選手権出場のイレブンだった。【荻島弘一】