高校生世代最高峰「プレミアリーグ」西地区4位の公立校、大津(熊本)が4大会ぶりの全国制覇を狙った前橋育英(群馬)を1-0で下し、同校史上初の4強進出を決めた。相手のパスサッカーに苦しむも、Jリーグユース勢が集う昨年のプレミアリーグでもまれた経験を生かして完封。自慢の堅守の流れから獲得した1点を守り、過去3度跳ね返された8強の壁を超えた。8日の準決勝は、同じく初ベスト4の関東第一(東京B)と戦う。

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公立の雄、大津がついに歴史を塗り替えた。87年度の選手権初出場から“4度目の正直”で、同校史上初のベスト4。試合終了の瞬間、U-18日本代表候補GK佐藤瑠星(3年)はピッチへ寝転がり大の字。負傷で途中交代したMF森田大智主将(3年)はベンチでうれし涙を流した。

初の4強。DF寺岡潤一郎(3年)は「100回大会で学校の歴史を塗り替えることができ、誇りに思う。悲願の全国制覇へ向けて、準決勝、決勝は集中して戦いたい」と引き締めた。

立ち上がりから、相手の速くて細かいパス回しに防戦一方で「ほこたて対決」となった。だが、山城朋大監督が「今日は(GKの)佐藤が最優秀選手」とたたえたように、守護神を軸にゴールを割らせなかった。

1点リードで森田主将が負傷交代した後半17分以降は、4から5バック移行で逃げ切りを図った。同ロスタイムに入ると、相手GKもゴール前に上がり、何度もピンチを迎えた。しかし、そこは鬼気迫る一丸プレーで、リードを死守した。

昨年のプレミアリーグ西地区でも、堅守を武器に最少失点で10チーム中4位。山城監督は、前橋育英に対して「個人技能や戦術が素晴らしく入られたくない所に何度も入られた」とったえつつも「最後はプレミアでやっている守備が継続できた」。決勝点のMF一村聖連(3年)は、8日準決勝へ「守備から入り武器のカウンターを狙いたい」と、初の国立へ向けて意気込んだ。【菊川光一】

◆大津 1923年(大12)創立。男女共学県立校。理数科、普通科(体育コース、美術コース)に656人(女子276人)が学ぶ。サッカー部は72年創部で部員186人。選手権は初4強で8強3度。14年高校総体準優勝。主な同校出身に川崎F・DF谷口、元日本代表FW巻、宝塚歌劇団宙組トップ真風涼帆ら。所在は熊本県菊池郡大津町。同町は「サッカーの町おこし」で知られる。

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