J2アルビレックス新潟にJ1浦和レッズから完全移籍で加入したオーストラリア東京オリンピック(五輪)代表の主将、DFトーマス・デン(24)が21日、オンライン取材で意気込みを語った。再入国後の隔離期間が明け、この日から高知1次キャンプ合流を予定していた。だがチームに新型コロナウイルス感染者が出て、活動が一時休止となったため、しばらくは聖籠町のクラブハウスに残り、約900キロ離れたチームメートとオンラインをつなぎ、室内トレーニングに励む。

オンライン取材は約30分、日本語を交えながら和やかなムードで行われた。

-新潟の雪や街の印象は

「(日本語で)めっちゃ寒い(笑い)。埼玉より静かで、サッカーにより集中できると思う。ここでいいプレーがしたい」

-チームの高知キャンプでの活動が一時停止のため、しばらくはクラブハウスに残ることになった

「キャンプ先とオンラインをつなぎ、チームが行っている室内トレーニングに参加している。練習前に画面越しで、あいさつもさせてもらった」

-ピッチでの始動が遅れ、調整に不安は

「早く合流したい気持ちもあるが、健康第一。うまく対処していくしかない。練習が再開したら開幕に向けて、みんなといい準備を進めたい」

-新潟移籍の決め手は

「J1やヨーロッパでのプレーも考えていたので迷ったが、(新潟の)強化部の熱い思いと攻撃的なサッカーを目指しているところに心が動いた。自分に合っていると思った」

-センターバック(CB)と右サイドバックでもプレーができる

「1対1で強さを発揮して無失点を目指したいし、足元の技術を生かして攻撃にも関わりたい。ケガ人やチームの状況によるがCBで勝負したい」

-サポーターはSNSなどを通して加入を歓迎している

「100%の熱い思いを感じている。温かいメッセージのお返しにピッチでいいプレーをしたい」

-18日に自身のSNSに、J1神戸のMFイニエスタのユニホームを手にする写真を添えていたが

「小さいころから憧れた選手と対戦できたことが誇り。今でも目標の選手」

-松橋監督からの言葉は

「直接、会話はしていないが『来てくれてありがとう。いいチームを作って、いいシーズンにしよう』とメッセージをもらった。『ここに来ることができてうれしいです』と返事をした」

-オーストラリア代表への思いは

「(主将として出場した)東京五輪はいい経験になった。健康に試合に出続けて、いいプレーをすれば(A代表の)スタッフも見てくれていると思う」

-新潟での目標は

「勝利のために毎試合いいプレーをして、J1昇格に貢献する。まずはしっかりとコンディションを上げたい」

◆トーマス・デン(THOMAS JOK DENG)1997年3月20日生まれ、ケニア出身。南スーダン難民としてオーストラリアへ移住し、18歳でメルボルン・ビクトリーとプロ契約。18年10月15日の親善試合クウェート戦で国際Aマッチ初出場。20年にJ1浦和へ移籍し、リーグ戦通算21試合1得点。U-24オーストラリア代表主将として昨年夏の東京五輪に出場。DF。182センチ、73キロ。背番号は3。ユニホームネームは「DENG」。