全国高校サッカー選手権で16強の帝京長岡(新潟)MF武原幸之介(3年)が今春、北信越大学1部リーグ5連覇中の新潟医療福祉大へ進学する。豊富な運動量と両足からの正確なキックでチャンスをつくり出す中盤の“ダイナモ”は、ボランチとウイングバックが主戦場。ドイツでプレーする兄龍之介との対戦を将来の目標に、大学で技を磨く。

    ◇    ◇    ◇  

武原が大学4年間をステップにプロ入りを狙う。「勝利貢献はもちろん、自分の力を『見せる・磨く』という部分にフォーカスして将来はプロで活躍したい」。高校最後の選手権は目標とした「全国制覇」に届かなかったが、個人としては2試合にフル出場して1得点1アシストと結果を残した。現在は後輩と汗を流しながら、週3回の筋トレに時間を割く。「春からトップチームに食い込めるように、今は上半身を鍛え直しています」。

最大の武器は試合終盤まで落ちない運動量で1試合の平均走行距離は12キロ。主戦場はボランチだが、帝京長岡では3年の夏前から左ウイングバックでプレーした。自陣深くまで素早く戻ったかと思えば、チャンスでは相手ゴール前に顔を出す。キックも多彩で状況に応じ両足を使いこなす。「攻守両面で『なぜかアイツがいる』と思わせたい。大学ではもっと数字(ゴール、アシスト)にこだわっていきたい」と決意する。

サッカー好きな3人兄弟の末っ子。長男龍之介はドイツ4部のFCギーゼンでプレーする。「日本なのか海外なのか。いつか同じプロの世界で対戦したい」。大学ではこれまで35人以上のプロ選手を輩出する佐熊裕和監督(58)から指導を受けることになる。昨春から武原を追っていた佐熊監督は「攻守で高い強度でプレーできる。競争の中でしっかり成長すれば、さらにおもしろい選手になる」と期待する。

北信越大学1部リーグ5連覇中の新潟医療福祉大には毎年、全国の高校やJユースから多くの選手が集まる。武原は「チーム内の競争に勝たないとプロへの道は開けない。毎日が勝負。しっかりここ(新潟)で成長したい」。大学で可能性を伸ばし、夢の世界に駆け上がる。【小林忠】

◆武原幸之介(たけはら・こうのすけ)2004年(平16)2月19日生まれ、神奈川県出身。保育園年長でサッカーを始め、小1から中3年まで「JFC FUTURO」(横浜市)に所属。中3夏に帝京長岡の下部組織的存在の長岡JYFCに練習参加し、同校への進学を決める。今冬の全国選手権は全2試合にフル出場し1得点1アシスト。169センチ、58キロ。