コンサドーレ札幌は敵地で鳥栖と対戦し2-2で引き分けた。0-1で折り返した後半開始から、DF田中駿汰(24)、MF金子拓郎(24)、MF高嶺朋樹(24)の3人を同時投入。同5分に田中駿がヘディングで同点弾、同14分には金子が一時勝ち越しとなるゴールを決めた。勝ち点3には届かなかったが、前半の嫌な流れを変えてみせた。チームは26日、ホーム開幕となる広島戦でJ1通算100勝を目指す。

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後半からピッチに立った選手たちが流れを変えた。前半2分にオウンゴールで失点する嫌な展開だった。0-1の後半5分。まずは田中駿が反撃の同点弾を決めた。FW菅大輝(23)の右CKからFWミラン・トゥチッチ(25)の頭を経由したゴール前へのボールに、ヘッドで反応した。「後半いい入りができた。一時は逆転までいったのでしっかり勝ちきりたかったですけど、最低限のことはできたんじゃないかなと思う」と振り返った。

同14分には金子が見せた。ペナルティーエリアにこぼれたボールをトゥチッチからフリーで受け、得意の左足でダイレクトシュート。ゴール左へ狙い澄まし、ネットを揺らした。同27分に相手に得点を許しはしたが、高嶺を含め4日前にリーグ開幕戦を戦った選手たちが試合を立て直しドローとした。「自分たちが入って逆転するというつもりで臨んでいた」と話した金子は「逆転につながるゴールを決められたというのは評価できると思う」と前を向いた。

ペトロビッチ監督は「後半3人の選手を入れてビルドアップが改善され、同点そして逆転ができた。今日初めて公式戦に出た選手もいるし、今シーズン初めて試合に出た選手もいる。こうした試合を通してチームとしてさらに成長していってくれれば」と話した。

19日清水とのリーグ開幕戦に続き、2試合連続で引き分けた。次戦は今季公式戦初勝利、そしてJ1通算100勝目をかけて広島とホーム開幕戦(札幌ドーム)を戦う。田中駿は「今のところ勝ち切れていない。多くのサポーターの方が応援しに来て頂けると思うので、勝つということにこだわって勝ち点3を取りにいきたい」と気持ちを高めた。【山崎純一】。

○…大卒の新加入2選手が公式戦デビューを飾った。MF井川空(21)とMF田中宏武(22)がそろって先発出場。ともに得点に絡むことはなかったが、プロとしての第1歩を踏んだ。ペトロビッチ監督は「カップ戦というのは若い選手が出場することが多いですけど、そうした選手たちが経験を積んで成長していってほしい」と今後の活躍を期待した。