古い写真が、チームを1つにした。いわきFCが、ホーム開幕戦に勝利。J3での1勝目を手にした。

試合後、村主博正監督(45)は、目を真っ赤にしながら、舞台裏を明かした。「震災から11年。共有したものが、このJヴィレッジスタジアムが使えなかった写真を試合前のミーティングで見せました。プレハブが建って、今があると」。そして「サッカーが日常になること、こういう中で開幕を迎えることに感謝しよう」と選手たちに伝えた。結果的に1-0で辛勝。「絶対に引かない、マインドのところは見せてくれたと思いますし、(写真が)プレーにつながったと思います」と声を震わせた。

16日深夜には、宮城、福島の両県で震度6強を観測した地震が発生。そんな中でのJヴィレッジスタジアムでのホーム開幕戦だった。村主監督は「まだ新幹線が止まっている。停電しているところこもあり、元通りの生活が出来ていない中、今日こうしてホームでサッカーが開幕されたことも含めて、選手には『見に来てくれた方に、感謝して、勇気を与えようという話をしました』」と言った。「復興のために、何が出来るか。我々は目いっぱいサッカーで勇気、感動を伝えるしかない。プレーで見せて、何か励みになれば。元通りの生活はまだですが、勝つための準備をして、喜びを分かち合えるようにしたい」と必死に涙をこらえた。