ヴィッセル神戸の三木谷浩史会長(57)と永井秀樹スポーツダイレクター(SD、51)が2日、神戸-京都のJ1リーグ戦が開催されたノエビアスタジアム神戸で、一連の騒動に関して初めて取材対応した。

3月21日付で神戸の強化責任者となるSD職に就いた永井氏を巡っては、昨季途中まで指揮したJ2東京ヴェルディ時代のパワハラが日本協会に認定され、公認S級コーチライセンスの1年間の資格停止処分を受けたばかり。このタイミングで選手ら現場との接点を持つ要職に就任することに対し、反対意見などが一部で出ていた。

三木谷会長は、一連の騒動を謝罪した上で「(永井SDは指導で)行き過ぎたことがあり、本人は反省している。本人から1度(SD職の)辞退の申し出があったが、私が慰留した。今までの反省を含めて、永井さんを信頼し、それは揺るぎない」と、任務の続行を明言した。

「私は裁判官でも検察官でもない」という同会長は「2度と(パワハラは)ないと思う。頑張ってほしい」と、永井SDの背中を押す形となった。

永井SDも「すべては自分の未熟さが招いたこと。真摯(しんし)に受け止めている。自分の過去は変えられないが、未来は変えていける。神戸、日本サッカーのために恩返ししたい」と頭を下げた。

この取材対応の前には、神戸サポーター30人と三木谷会長と永井SDが、今回の就任の経緯などの事情説明を行い、謝罪したという。

永井SDは既に、楽天グループの第1回コンプライアンス・ハラスメント教育研修を受けており、今後も日本サッカー協会のサポートプログラムと合わせて定期的に受講していく予定。