しぶとく勝ち続ける。青森山田が大宮アルディージャU18を1-0で破り、開幕3連勝を決めた。前半31分、右サイドバックのDF渡辺来依(らい、3年)の公式戦初ゴールとなるヘディング弾で先制。後半36分にはGK鈴木将永(2年)がPKをストップし、チームを窮地から救った。青森山田のシュート6本に対して、大宮に2倍の12本を浴びたが、3試合連続無失点で切り抜けた。

渡辺の笑みがはじけた。前半31分、MF奈良岡健心(3年)がゴール前にロングスローを投げ込み、相手がクリアしたボールを打点の高いヘディング。ループシュートのような軌道を描き、ゴール右隅に吸い込まれた。「ロングスローから得点を狙っていたが、ようやく3節目で取れてうれしい。やっとという感じです。セットプレーで毎試合決めたい」。豪快なジャンプの後にガッツポーズを繰り返し、初ゴールをかみしめた。

渡辺には背中を追う存在がいる。昨季、高校年代3冠を達成した青森山田で主力FWだった兄星来(せら、18=FC刈谷)だ。「憧れであり、抜かしたい存在です。小さい頃からサッカーがうまくて、うらやましいと思っていましたし、いつか星来を超すという気持ちでやっています」。連絡を毎日取り合う仲良し兄弟で、大宮戦前には「絶対に勝てよ」とLINEで激励された。さらに「夜景を見に行くためにヒッチハイクに成功した」とのおちゃめな報告もあったという。

189センチの大型GK鈴木が絶体絶命のピンチを防いだ。1-0の後半36分、相手が蹴ったPKを完全に読み切った。「先に動かないことを意識し、ギリギリまで我慢して反応しました」。右に跳んでシュートをはじくと、すぐさま両手でボールをキャッチ。「キーパーとして0に抑える仕事をできて良かったです」。黒田剛監督(51)も「大きいだけあってセーブがすごい。なんか止めそうな気がするんだよね」と信頼。「キーパーさまさまだった」と活躍をたたえた。

青森山田にとってプレミアリーグ11シーズン目で3度目の開幕3連勝だ。今季は市船橋(千葉)を2-0、東京U-18を1-0、大宮を1-0と接戦をものにしてきた。「勝ててはいるが慢心せず、1戦1戦、チャレンジャーの気持ちでやっていきたい」と渡辺。地道に勝利を積み重ねていく。【山田愛斗】