熊本県八代市の私立、秀岳館高のサッカー部で、30代の男性コーチが3年生部員に暴力を加えたとされる問題で、熊本県高体連の池田将文理事長が27日、取材に応じた。

当該コーチが暴行で書類送検され、段原監督が部員を「加害者」と表現するなど、事態が拡大する中で、日程的には高校総体熊本県予選を5月下旬に迎える。

その出場可否について、同理事長は、同校の意思を尊重する考えを示した。

辞退勧告などの可能性については「可能性が何パーセントとか、0でもないし、100でもないし、50でもない。全国高体連とかと話していきながらの決定になると思う」と見解。

一方で「まずは秀岳館高校が出場の意思を示されるかどうかというところが1つあるので、そこの部分を含めて報告を待っている」と話した。

学校側からは、22日までに当該コーチの暴力と、警察の事情聴取が行われている旨の報告は受けている。だが、その後の詳細は、連絡がないという。現在はあくまで学校側からの報告を待っている状況だ。

 

秀岳館サッカー部暴力騒動経緯メモ

◆20日 第三者からの連絡があり、学校側が、サッカー部の寮内で部員が30代の男性コーチから殴る、蹴るの暴行を受けている動画が拡散している事実を確認。

◆21日 県警が午前中に学校を訪れて、3人が事情聴取を受けた。

◆22日 選手11人がサッカー部公式ツイッターに経緯説明の動画を投稿して、謝罪を行った。学校関係者の姿はない動画だった。

◆23日 謝罪動画は再生回数100万回を超えたが、削除された。23、24日のリーグ戦6試合が延期になる。

◆25日 学校は、学年ごとの集会を開いて、合計3時間にわたって、生徒約1000人に事情を説明。段原監督はテレビ生出演で一連の騒動を謝罪。一方で、暴力動画を拡散させたとされる部員2人を加害者扱いして、強い口調で責める、同監督の音声がツイッターに投稿される。

◆26日 学校が、ツイッターの音声について、同監督の不適切発言だったことを認めて、謝罪。また暴行をした当該コーチが、すでに退職願を提出していたことが判明。ただ学校側は警察が捜査中であるために、その扱いを保留している。