ジュビロ磐田が3試合ぶりの白星をつかんだ。ホームでFC東京に2-1。MF上原力也(25)がカウンターから右足で先制すると、1-1で迎えた後半にMF鹿沼直生(静岡学園高出、24)が勝ち越しゴールを奪った。J1初先発だった鹿沼のJ1初ゴールで決勝点。年に1度、クラブと磐田市が協力して行う「小学生一斉観戦」で勇姿を見せた。

土壇場での鮮やかな1発だった。1-1で迎えた後半43分。右クロスのこぼれ球を味方がつなぎ、鹿沼の足元にボールが転がってきた。「落ち着いて打てたと思う」。右足ダイレクトで軽く放ったシュートがゴール右隅に決まると、スタンドに向かってガッツポーズ。仲間の手荒い祝福を受けたヒーローは「狙い通りだった」と笑顔を見せた。

4月23日のルヴァン杯東京戦でもロスタイム決勝点。「東京キラー」の活躍に、応援席も総立ちに。この日は磐田市内の全22校から小学5、6年生約3100人が来場。鹿沼は「勝たないといけなかった。最後にもう1度パワーを出せた」。失点から9分後に再び勝ち越し。勝利だけを目指した選手の思いとスタンドの熱気が劇的勝利を呼び込んだ。

先制点を挙げた上原も「思い出に残るような試合を見せられた」と胸を張った。チームは連敗を「2」で止め、3試合ぶりの白星。伊藤彰監督(49)は「連勝を目指していきたい」と力強く宣言した。巻き返しへの転機になる価値ある1勝だった。【神谷亮磨】