アルビレックス新潟はモンテディオ山形を3-0で粉砕し、13年のクラブ記録に並ぶホーム9連勝を飾った。前半28分、MF松田詠太郎(21)が先制点を奪うと、1-0の後半13分にMF本間至恩(21)の2戦連発ゴールで追加点を挙げる。そして最後はDF田上大地(28)が同34分に左CKから仕上げのヘディングシュートをたたき込んだ。守備陣は3試合連続の無失点。今季初の3連勝で勝ち点を38に伸ばし、2位をキープ。首位仙台を勝ち点1差で追走する。

エースナンバー「10」を背負うクラブの至宝が華麗に、そして冷静にネットを揺らした。1-0の後半13分、本間はFW鈴木孝司(32)とのパス交換で中央を突破すると、ペナルティーエリア外から右足コントロールショットをゴール左隅に沈めた。前節25日のアウェー水戸戦での2得点に続くファインゴールはプロ4年目で初の2戦連続ゴールとなった。「(記録は)自分では分からないし、意識していない。勝利に貢献できたのが一番」と笑顔を見せた。

第12節ホーム岩手戦(4月27日)以来の先発出場で、今季最多1万9008人のスタンドのファンを沸かせた。まずは前半28分、左サイドからゆっくりとペナルティーエリア内に進入する。相手を抜き切る前にピンポイントクロスを鈴木の頭に合わせ松田の先制点の起点となった。「難しいタイミングだったが、感覚的に上げてみようと思った」。後半は鋭いドリブル突破で相手守備を切り裂くなど左サイドで輝いた。松橋力蔵監督(53)も「(後半39分に)足をつって交代するまでは完璧だった」と冗談交じりに高評価した。

「サッカーを見る人は誰が点を取って勝ったかを知りたい。アシストよりも点が欲しい」と試合前日に話した本間。この日はシュート1本をゴールにつなげたが、満足はなし。「自分が乗っている時は何をしてもうまくいく。その自信を深めるためにもっと結果にこだわりたい」と貪欲だ。

チームは3試合連続でスコア3-0での完封勝利。ホーム連勝を9に伸ばし、13年のクラブ記録にも並んだ。攻守がかみ合うチーム状態を本間は「前線が悪い形でボールを取られても守備陣が集中して守ってくれる。全員で戦えている。ホームでは負ける気がしない」と言う。6月1日の天皇杯2回戦J2熊本戦を挟み、次節は同4日にアウェーで徳島と対戦する。「強いチームは負けない。この勢いを次につなげたい」と気合を入れた。【小林忠】

○…前半28分に先制点を決めた松田のシュートは相手DFとGK2人の股を抜くゴールだった。「狙ってない(笑い)。調子がいい中でも、ずっと試合メンバーから外れていて悔しかったので、結果が欲しかった。(U-21日本代表選出の)三戸が戻ってきた時にポジションがないぐらいの活躍をしたい。自分もパリ(五輪)世代なのでアピールしたい」。

○…DF田上(後半34分に左CKを頭で合わせ今季2点目)「(キッカーの伊藤)涼太郎と話していた。いいボールが来たので、とにかくゴールに向かってシュートした。3試合連続無失点での3連勝はチームに勢いがつく」