度重なる声出し応援で問題になっている浦和レッズに厳しいペナルティーが科せられることになりそうだ。

5日、Jリーグの臨時実行委員会が行われ、各クラブが現在進行中の声出し応援を進めていくことを確認し、5月21日の浦和-鹿島アントラーズ戦(埼玉スタジアム)、7月2日のガンバ大阪-浦和戦(パナスタ)で、検証の対象試合でないにもかかわらず、浦和サポーターが大きな声でチャント(応援歌)を歌った件が議題に上がった。浦和は謝罪し、他クラブの実行委員からは「具体的な防止策がないと不安」「ルール違反を犯した人にしっかりしたスタンスを見せるべきだ」という厳しい意見が上がった。

野々村芳和チェアマンは実行委員会後、オンラインで取材に応じ、2件の事案に関し、浦和に上限2000万円の罰金を科すこと、ならびに今後、同様な事案が起こった際、無観客試合や勝ち点剥奪を含めた内容で、裁定委員会に諮問することを明言した。

裁定委員会の判断を経て今後、正式にペナルティーが決まるが、諮問の内容から、極めて厳しい姿勢を浦和に示した形だ。

野々村チェアマンも、浦和サポーターの度重なる違反を重く受け止めており「浦和からも、各クラブと同じ方向で進むとの確認を取った。こういった対応を取らないと、リーグとして他のクラブ、サポーターに対しても示しがつかない」と説明した。

最初に問題になったのは5月21日の埼玉スタジアムでの浦和-鹿島戦だった。浦和サポーターが選手バスを待ち受け約15分にわたり応援歌を歌った。この際、Jリーグは現場レベルで、浦和に再発防止策を再三、訴えてきたという。しかし、クラブの姿勢も明確にならず、約1カ月半後に、パナスタで同様の事案が起こり、そこでようやく、浦和もクラブのホームページで謝罪と再発防止策を発表した。

2件目が起きてからのペナルティーの動きについて、野々村チェアマンはクラブの自浄能力の重要性を挙げ「自浄作用をつくっていくことをしない中でペナルティーを与えても同じになる。クラブがどういうスタンスで、どんな対策を打つのかが問われる。クラブの改善策を求めていた」と述べた。今回は浦和がペナルティーの対象だが、今後は他クラブでもガイドラインに反する行為はペナルティーの対象となる。野々村チェアマンは「多くの人が、声を出して情熱を取り戻したい思いを我慢して、検証に参加してくれている。もう少しでというところまで来ている状況も含めて、今回のリーグとしての判断」と話した。