サポーターが新型コロナウイルス感染症対応ガイドライン違反を繰り返した浦和レッズに、厳しいペナルティーが科せられることになりそうだ。5日、Jリーグの臨時実行委員会が行われた。会議後の会見で野々村芳和チェアマンは、浦和の運営責任を問い、上限2000万円の罰金を科すことや、今後同様な事案が起こった際には無観客試合や勝ち点を剥奪するということを含めた内容で、裁定委員会に諮問すると明言した。

Jリーグは6月から段階的に緩和している声出し応援について検証を行っている。その検証の対象試合ではない5月21日の浦和-鹿島戦(埼玉ス)と7月2日のG大阪-浦和戦(パナスタ)で浦和のサポーターが場外で大きな声で応援歌を歌う行為があった。浦和はこの日の臨時実行委員会で謝罪。他クラブからは「違反を犯した人にしっかりしたスタンスを見せるべき」といった意見が出たという。

浦和へのペナルティーは裁定委員会を経て決まるが、Jリーグは諮問内容で浦和に極めて厳しい姿勢を示した。野々村チェアマンは「こういった対応を取らないとリーグとして他のクラブ、サポーターに示しがつかない」と説明した。

Jリーグは、浦和のサポーターが5月21日の浦和-鹿島戦で選手バスを待ち受けて応援歌を歌った際、現場レベルで浦和に再発防止策を講じるよう求めたという。しかし、浦和の姿勢は明確にはならず、約1カ月半後の今月2日に同様の事案が起こってからようやくホームページで謝罪し、再発防止策を発表した。

野々村チェアマンは「多くの人が、声を出して情熱を取り戻したい思いを我慢して検証に参加してくれている。もう少しでというところまで来ている状況も含めて、今回のリーグとしての判断だ」と、浦和サポーターの度重なる違反を重く受け止めていた。【岩田千代巳】