セレッソ大阪の元日本代表DF進藤亮佑(26)が、決勝アシストでチームのベスト8進出に貢献した。

1-1で迎えた後半43分、右サイドバックの進藤が鋭いクロスをゴール前に供給すると、飛び込んだMF為田が右ボレーで決勝ゴールをたたき込んだ。今季のC大阪の上位にランクインするはずの美しく、劇的なゴールとなった。

試合後、報道陣に囲まれた進藤は「また、こうやってみなさんに話しかけられる所に出てこられた」と冗談を交えて取材対応を始めたが、そのコメントは真剣だった。

「小菊監督から名古屋戦の4日前、(先発は)シン(進藤)でいくからと言われた。事前に監督からプレッシャーを与えられて、その期待に応えられた。もし結果が出なければ、それまでの選手だと思ってピッチに立った」

進藤は北海道コンサドーレ札幌時代から日本代表にも選ばれたエリートだが、C大阪に移籍した昨季はJ1で9試合2得点、今季はここまで4試合1得点。西尾、鳥海の台頭や、マテイヨニッチの中国リーグからの復帰などで、ベンチ入りできない試合も多かった。

「ここ数カ月はけがもなく、コンディションが悪いのではなかった」と不本意な時間を過ごしたが、日々の練習は居残りを含めて120%の姿勢で臨んでいた。

この日の会見で、小菊監督は「素晴らしい競争の中で、出場機会に恵まれなかったが、日々向上心を持って練習していた。練習はうそをつかない」と、決勝クロスを称賛した。

進藤は「(この試合は)サッカー人生の分かれ目だった。どんなに練習を頑張ろうと、結果が出なければ選手としてそれまで。貢献できてよかった」と、ホッとした表情を見せた。

5月21日以降、チームは公式戦9勝3分け1敗と驚異的な成績を残す。J1ではここまで6位、天皇杯とルヴァン杯ではベスト8に進出。故障者が続出し、決して選手層は厚くない。それでも進藤のように突然、出番が来ても活躍できる選手間の競争や一体感が、今のチームにはある。C大阪がJリーグ後半戦の主役になりそうだ。