札幌大ヴィスタが北海道大谷室蘭高に3-1で勝利し、7勝2分け無敗の勝ち点23で、1試合を残して2年ぶり4度目の優勝を決めた。今季から選手が「セットプレーチーム」を結成して研究。全3得点をセットプレーで奪い、成果を見せた。今大会は皇后杯(11月26日開幕)北海道予選を兼ねており、全国切符を獲得。20年は出場権獲得もチーム事情により辞退しており、創部12年目で悲願の初出場となる。

札幌大ヴィスタが無敗で頂点の座に立った。勝ち点3なら優勝が決まる1戦で、勝ちきった。主将のDF諸岡紬(4年)は「自分たちの代で優勝できてうれしい。先輩たちにすぐに報告したい」と喜んだ。

立ち上がりは北海道大谷室蘭高の球際の強さに苦戦したが、約30メートルの豪快弾がチームを勢いづけた。前半30分、MF玉川実奈(3年)が直接FKを決めて先制した。「狙おうと思った」とニヤリ。後半12分には右CKのキッカーとして、諸岡の得点を演出し、3分後には右CKからの巻いたシュートで直接ゴールを決めた。

「ここで成果が出たのは良かった」と諸岡。昨年4月に4季ぶりに指揮官に復帰した氏家新司監督(39)は選手の自主性を重視。選手による「セットプレーチーム」が中心となって作戦を立ててきた。前節まではなかなか決めきれなかったが、今節は玉川の左足も好調で、3得点につなげた。

2年前のリベンジを果たす。同じく同リーグを制し、初の皇后杯出場権を得た。だが、コロナ禍で大学は対外試合の不参加を決定。出場を辞退した。4年はそのまま引退。当時2年だった諸岡は「悔しい思いをした。今年こそって気持ちがあった」と明かす。11年創部のチームにとって悲願の舞台へ。氏家監督は「やっと取れた。チーム全員で臨みたい」と気持ちを高めていた。【保坂果那】

◆皇后杯の北海道勢 公式記録の残る99年度以降、1回戦で勝利を挙げての2回戦進出が8度で最高成績。出場チーム数が現在の48となった15年度以降では、白星を挙げたのは16年度のクラブフィールズ・リンダ、19年度の北海道文教大明清高(現北海道文教大付高)、20年度のノルディーア北海道の3回だけと苦戦が続いている。