鈴鹿のFWカズ(三浦知良、55)が22年来の「オファー」に応えた。前節で3カ月半ぶりにケガから復帰したカズは2点を追う後半36分に交代出場。2戦連続ピッチに立ち、JFL最年長出場記録を55歳197日まで伸ばした。5試合連続完封中のチームは序盤に失点。ペースをつかめず0-2と6戦ぶりに敗れた。

カズにとって高知・春野は神戸時代に毎年キャンプで訪れた思い出の地。01年には、この日対戦した高知ユナイテッドの前身でもある高知選抜との練習試合に出場した。ゴールも決めて5-0で大勝し、観戦した当時の橋本大二郎県知事から「次は公式戦を」とオファーを受けていた。

復帰したばかりで体調も万全ではなく、6時間もの長距離バス移動による体への負担も心配された。それでも、カズ自身が出場を熱望。チームバスとは別に用意された車で移動。競技場に入ると「懐かしい。シャトルランをやったのを思い出した」と話した。

さらに、高知は昨年オフに獲得オファーをくれたチームでもあった。C大阪のGMや日本協会強化の要職などを歴任した西村昭宏GMから熱心に口説かれたことを思い返し「ここは誘ってくれたから」という特別な思いも口にした。

この日の観客数は3305人。これまで高知のホーム試合最多の1366人を大幅に更新し「たくさんの人が集まってくれてうれしい」。さらに「子どもたちが、おじいさんにしか見えないだろう僕の名前を呼んでくれる、カズ、カズと。こんなに幸せなことはないですね」と笑った。

ロスタイムを合わせて14分間のプレー。0-2と劣勢だっただけに「点がほしい場面だし、チャンスがあればと思っていた」が前線で奮闘するもシュートすら打てず。「高知さんのボールの持ち方がうまかった。今日はやられたかなという感じ」と振り返った。

もっとも、中2日でホンダ戦を控える日程。この日の敗戦にも「すぐ次があるので、準備をしたい」と話し「知り合いもたくさん来るし」と故郷の静岡での試合を楽しみにした。

会場のエコパはオールスター戦や名波浩氏の引退試合、CM撮影などでピッチは踏んでいるが、公式戦は未経験。「静岡にはエスパルスやジュビロと素晴らしいJ1のチームがあるけれど、JFLもいい試合をしたい」と前向きに話していた。【荻島弘一】