京都サンガは、元韓国代表MF朴智星らを擁した02年度以来の優勝を目指していた。その道は、延長激闘の末に惜しくも途絶えた。

前半40分に不運なハンドの判定でPKをとられ先制点を献上。曹貴裁(チョウ・キジェ)監督はハーフタイムに「流れは悪くない。自分たちのスタイルを信じてやり続ける」とゲキ。すると、後半34分に途中出場のナイジェリア人FWイスマイラが強烈な同点弾をニアサイドにたたき込んだ。延長戦に持ち込むも、最終ラインの一瞬のスキを突かれて決勝点を許し敗戦。

同点弾の起点を作ったDF荒木大吾は「もう少し(ああいう場面を)増やせれば展開的に楽になっていた。負けたことに変わりはない。本当に悔しい」と唇をかんだ。

クラブの会長、名誉会長を歴任し、京都に愛情を注いできた京セラ創業者の稲盛和夫さんが、8月24日に90歳で他界。11年度以来の決勝進出、その先にある2度目の優勝を、天国に届けたいという思いで選手は団結した。しかし、あと1歩、勝利には届かなかった。

直近のリーグ戦(1日鳥栖戦)から先発全員を入れ替えて臨んだ曹監督は「我々がやられたら嫌なことを仕掛けたつもり。少し不運なPKで難しくなったが、非常に自分たちらしい試合ができた。あわよくばPK戦に持ち込めたかもしれないが、次への宿題にしたい」と冷静に語った。

J1リーグ戦は13位ながら、J2との入れ替え戦に回る16位福岡とは勝ち点2差。休む間なく、中2日で8日には名古屋とのリーグ戦を控える。

イスマイラは「長いシーズンの中でチームに貢献できるように努力したが、結果は負けてしまった。次のリーグ戦に集中したい」と必死に気持ちを切り替えようとしていた。