今季限りで現役を引退するJ2横浜FCの元日本代表MF中村俊輔（44）が10日、神奈川・横浜市内で会見を開いた。紺スーツに紺色のネクタイ姿で登場し、第一声は「明るく楽しい時間にしたいと思うので、よろしくお願いします」。その後、小野伸二や三浦知良らからのメッセージ動画を見終えた後、報道陣からの質問に応じた。

一問一答は以下の通り。

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－FKが代名詞だと思いますが、こだわりは

俊輔　こだわり…。やっぱりそれだけと言われるのが嫌なので。（FKを）意識したのはプロに入ってからです。それまではゲームを支配する力とか、ドリブル、パス、スルーパスと、プレーのことで。（FKは）ちょっとしたおまけみたいな感覚でやっていただけなんですけど。こうやって気付くと、FKが残ったっていうのは、自分でもちょっと不思議な感じですけど。やっていてよかったな、っていう感じですね。こだわり？　こだわりは、PKと同じくらいの感覚で決めるんだっていう、そういう意識はありますね。蹴ったら必ず入るっていう。そういう状況をチームメートにも見せて信頼してもらう、普段から。それはキックだけではなくて、プレーもそうですけど。それはもしかしたら、こだわりかもしれないですね。

－W杯は2度経験したが、その後のキャリアにどう影響したか

俊輔　日本の代表としてW杯に出るっていうのは目標でしたし、本当に誇りですね。両大会とも結果を出せずに終わってしまいましたけど。ああいう自分の力のなさを気付く場所があったので、また次への向上意欲が持てるというか、目標を立てられるのは、自分のサッカー人生の繰り返しで、良いこともあれば、悪いこともあるっていう。その度にちょっとずつ上へ上がっていけたのかなと思います

－今のW杯日本代表へのエールは

俊輔　エール…。ちょっとおこがましいですけどね。本番まで、大会中もそうですけど、大きなケガはしないで頑張ってほしいというのと。やっぱり、僕らの前の先輩たちがW杯に行けなかったり、カズさんの時のドーハだったり。そういうのを見て、次につながると思う。小さい子どもたちや次世代、日本の方たちのために、頑張ってもらえればと思います。

－これまでのサッカー人生で最も印象に残っている試合は

俊輔　松田（直樹）選手が亡くなられて、最初の試合がアウェーのレイソル戦だったんですけど。全くボールも、足も地についていない状況でやって。それはもう過去に1試合しかないです。ああいう悲しい試合をしたのは、あの1試合です。

－その試合はその後のサッカー人生にどう影響したか？

俊輔　うーん、松さんだったら、今、何考えてるかな？とか、こういう状況でそうするかな？とか、そういうのは考えるようになりました。僕を変えようとしてくれた人なので。残念です。だったんですけど、次に進まなきゃいけないので、そういう思いでやっていました。