飯塚が、東福岡を1-0で破って初優勝を飾った。パスをつなぐスタイルで、全国選手権を3度制した強敵を圧倒。前半38分、MF池田悠夢(ひろむ、3年)がドリブル突破で決勝点を奪った。

「打倒東福岡」を全国Vを目指す近道と位置づけて、挑戦を続けてきた中辻喜敬監督(37)は就任8年目の悲願。国見高などで監督を務め、今年1月に76歳で亡くなった名将、小嶺忠敏さんからの金言も胸に、新たな歴史を刻んだ。

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飯塚が、3連覇を狙った東福岡を破り、初優勝を飾った。前半38分、MF池田が得意のドリブル突破から決勝点を挙げた。それは中辻監督が「完全に封じ込めると思っていた」という戦略の勝利。攻撃時はボールを動かし、守備時は前線からプレスをかけるプランを実行したことで生まれた、値千金のゴールだった。

中辻監督は、もともと大阪市内の中学校の教員だった。15年に同校監督に就任した際に「当時は東福岡が日本一のチームだったので福岡になった。日本一になるためには一番早いと思った」と「打倒東福岡」を掲げた。飯塚は無名校だったが「マンチェスター・シティーとリバプールを足して2で割ったサッカーをしたい」と目標を掲げてきた。

故小嶺監督に聞いたことがある。

「決勝前はどうしたらいいんですか」

「大船に乗ったつもりでおれ」

この日、その言葉を頭に浮かべて大一番に臨んだ。昨夏、最後にもらった「東福岡を倒そうなんて思っとったらつまらんぞ。全国制覇を目指せ」の金言は胸に刻んでいる。全国大会では「初出場、初優勝を目指したい」と、旋風を巻き起こす。【菊川光一】

○…MF池田が、福岡大会2ゴール1アシストで記録した。決勝は、左サイドから自慢のドリブルでDF2人をかわして切り込み、右足で先制点を決めた。岡山・倉敷市から「Jリーグで活躍して、何年後かに海外に行く夢に近づくため」に入学。昨年J3鳥取のFW高尾流星がつけたエースナンバー「13」を引き継ぎ、強い気持ちで昨年決勝で敗れた相手にリベンジした。

○…東福岡はJ1神戸加入内定のMF浦を左足首の捻挫で欠いて、流れをつかめなかった。決勝3日前の練習でけがして、全治2週間の診断。ピッチサイドで悔しい敗戦を味わった。だが、浦は「早くけがを治して、プレミアリーグ残留のために頑張りたい」と切り替え。神戸では「1年目からメンバーに入れるようにしたい」と意気込んだ。