アルビレックス新潟はアウェーで浦和レッズに1-2で逆転負けし、開幕5試合目で今季初黒星を喫した。前半10分、右MF太田修介(27)が右DF新井直人(26)のラストパスに抜け出して先制点を奪った。だが、同35分に試合を振り出しに戻されると、同ロスタイムに左CKから勝ち越された。MF高宇洋(24)、右DF藤原奏哉(27)、FW谷口海斗(27)ら主力がコンディション不良で欠場。手数を掛けず、ダイナミックな攻撃を仕掛ける相手の攻撃を防ぎきれなかった。

    ◇    ◇    ◇  

新潟の“爆速王”が豪快にネットを揺らした。0-0の前半10分、右からペナルティーエリア内に進入した太田は新井からの縦パスに抜け出すと勢いそのままに右足を強振。先制となる豪快ボレーをゴール正面上にたたき込んだ。「いい位置にボールを置いて、しっかり振り切れた」。だが、チームは06年7月を最後に勝てていない「天敵」相手に逆転を許し今季初黒星。今季3点目は勝利に結びつかなかった。それでも太田は「相手のしたたかさなど、得たことを次につなげていきたい」と前を向いた。

立ち上がりは新潟ペース。敵陣でボールを保持し攻め込んだ。だが先制点を奪った後は次第に押し返される。松橋力蔵監督(54)は前日会見で浦和のダイナミックな攻撃を警戒し「ロングボールをはね返した後のこぼれ球への反応を良くすること」と話したが、2失点はゴール前の混戦をはね返し切れずに奪われる形となった。松橋監督は「起こるべくして起きた。準備、対応はしたが失点につながり残念」と悔しがった。

負傷明けのDF堀米悠斗(28)はベンチスタート。開幕からリーグ全4試合出場を続けていた藤原、高の不在の影響もあり、後半はボール保持率を高めるも、足元中心のパス回しが多く、攻撃に推進力を欠いた。放ったシュートは5本のみ。太田は「危険な位置へのパス、走り込みが全体で足りなかった」と修正点を挙げた。

開幕からの無敗は4でストップしたが、シーズンは始まったばかり。ルヴァンカップを挟み、次節(4月1日)はホームでの名古屋戦。太田は「次のルヴァンカップ(26日、ホーム鹿島戦)で勝って、リーグ戦につなげたい」。この日の負けを前に進む力に変える。【小林忠】

▼記録メモ J1新潟は浦和とのJ1リーグ戦で通算29試合1勝5分け23敗。06年8月から24試合連続勝ちなしとなった。唯一の勝利は06年7月のホーム戦で、敵地では3分け12敗と15戦未勝利。アウェーの浦和戦は鬼門でJ2、ルヴァン杯、天皇杯を含めた国内公式戦通算22試合で3分け19敗と1度も勝っていない。この日は先制しながらの逆転負け。J2だった21年から続いていた先制試合の無敗記録も32試合(29勝3分け)で止まった。