アルビレックス新潟はホームで名古屋グランパスに1-3で完敗した。リーグ戦は2試合連続の逆転負けとなった。序盤はテンポ良くボールをつないで敵陣に押し込み、前半35分に左MF太田修介(27)の2試合連続ゴールで先制。だが直後にDF舞行龍ジェームズ(34)がラフプレーで一発退場。前半は1-0で折り返すが、数的不利な状況で防戦一方になり、後半に試合をひっくり返された。2勝2分け2敗で勝ち点は8のまま。

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今季初めて左MFで先発起用された背番号11が、嗅覚鋭くゴールネットを揺らした。0-0の前半35分。ゴール前でこぼれ球を拾ったMFダニーロ・ゴメス(24)が右サイドから左足でファーサイドへ鋭いシュートを放つ。太田は相手GKがはじいたところを見逃さない。右足でプッシュし、先制点を奪った。「思ったところに(ボールが)転がって来た」と今季4得点目を振り返ったが、「もう1つチャンスがあった。あれを仕留めていればチームが楽になった…」。

意外な形でゲームプランが崩れた。太田の先制点から1分後。舞行龍のスライディングが危険行為と判定されて一発退場。数的不利な状況に立たされると、「攻・新潟」と「守・名古屋」を志向するサッカースタイルが正反対になった。1-0で折り返した後半はサイド攻撃を仕掛ける名古屋に防戦一方となり、シュート20本を打たれて3失点した。DF早川史哉(29)は「サイドの対応を自分たちでもっと解決できたのかなと思う」と話し、太田も「10人で戦うことはサッカーにつきものだが、相手の圧力に屈した」と悔しさをにじませた。

選手交代から反撃に転じる時間もあった。松橋力蔵監督(54)は「結果は非常に残念」と前置きしながら、「前半も後半もパフォーマンスには満足している。次につながる戦いをしてくれた」と最後まで走り続けた選手たちの姿勢を評価した。

ここからは中3日での連戦。5日はホームでルヴァン杯・柏レイソル戦、9日はアウェーでリーグ戦・ヴィッセル神戸戦が待つ。太田は「(課題解決のために)すぐ試合がやってくることはいいこと。反骨心をエネルギーに変え、いい準備をしていきたい」と前を向いた。【小林忠】

○…後半19分から投入されたMF松田詠太郎(21)は推進力を生かしたドリブルからMF三戸舜介(20)へクロスを送るなど劣勢に立たされた展開でチャンスを作った。敗れた悔しさをはき出しながらも「回数は少なかったが特長は出せたと思う。試合にもっと絡めるように練習からアピールする」と話した。