新潟からベルギー1部シントトロイデンに完全移籍するMF伊藤涼太郎(25)が「新潟ラストマッチ」に臨んだ。

ホームでの京都戦に先発出場。1-3で敗れはしたが、最後までゴールを目指し、攻撃をけん引した。試合後の壮行セレモニーでは涙で声を詰まらせながら今季最多の3万人を超えるサポーターに感謝のあいさつ。欧州でのさらなる成長で日本代表入りを誓った。卓越したテクニックと創造性を武器に新しい挑戦が始まる。

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最後まで「らしさ」全開だった。伊藤の新潟でのラストゲーム。得点を感じさせるターンやピンポイントのロングスルーパスにスタジアムが沸いた。前半28分に先制点を許す苦しい展開も、ゴールを目指す伊藤の推進力は衰えなかった。後半27分には伊藤が起点となり、チャンスメーク。MFダニーロ・ゴメス(24)のクロスからDF新井直人(26)のJ1初ゴールとなる同点弾を呼び込んだ。

試合後の壮行セレモニーで伊藤は「熱い声援をかけてくださり本当に感謝しています」と今季最多の3万136人の観衆を前に惜別の涙を流した。「こんなに好きになったクラブはありません。必ずビッグスワンに帰って来れるように頑張ります」と声を振り絞り、最後は「アイシテルニイガタ!」と言葉を残した。

新潟移籍1年目の昨季は9ゴール11アシストでJ2優勝・J1昇格に貢献。J1に舞台を移しても、ここまで17試合で7ゴール4アシストと攻撃をけん引し続けた。数字だけでなく、記憶に残るプレーはサポーターから愛された。「ゴールに関わること。自分のゴールで勝ちたい」。狭い局面から見せるターン、味方の長所を生かすスルーパス、研ぎ澄まされた感覚で放たれるFK。サポーターの枠を超え、そのプレーは多くのサッカーファンを魅了した。

次なる舞台、ベルギーリーグはそこからのステップアップを目指し、野心を抱く選手が世界中から集まる。「一サッカー選手としてビッグな人間になるために」と伊藤。海外リーグで、外国人選手と互角以上に渡り合えることを証明するつもりだ。結果を残せば、日本代表入りも見えてくる。「次、皆さんの前に立つ時には、日の丸を背負って立ちたいと思います」。新潟ラストマッチは1-3で敗れたが、日本でアップデートを重ね、海外移籍のチャンスを手にしたファンタジスタは勝負の地へ旅立つ。【大島享也】

◆伊藤涼太郎(いとう・りょうたろう)1998年(平10)2月6日生まれ、大阪市出身。C大阪U-15から岡山・作陽高へ。16年に浦和に入団するが出場機会を得られず、17年9月にJ2水戸に育成型期限付き移籍。18年も移籍期間を延長して水戸でプレーし、J2で9得点を挙げる。19年はJ1大分に期限付き移籍。20年に浦和に復帰するが、21年7月に水戸に2度目の育成型期限付き移籍。22年にJ2新潟に完全移籍で加入するとプロ入り後、初めて全試合に出場して9得点をマークし、J1昇格に貢献。U-15、16、17、18、19の各年代日本代表。

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