サッカーの元日本代表FW永島昭浩氏(59)が30日、大阪・泉大津市内の楠小学校で特別授業を行った。

日本協会主催で、全国の小学校にアスリートらが赴いて教壇に立つ「夢の教室」企画。授業時間は約90分で、同校では5年生計約80人が参加した。

前半は体育館に集まって生徒とゲームをしながら体を動かし、後半は教室に移動して、サッカーを始めた小学4年時から現役引退後までの成功体験や苦悩を振り返りながら「夢を持つ大切さ」を熱弁した。

永島氏が授業をする上でまず伝えたいと考えたのは、夢を持つことと、失敗を恐れず挑戦することの大切さだ。

「今は、ネット社会でチャレンジしづらい世の中。でも、僕は失敗しても夢を持っていたからこそ諦めずに何度もチャレンジしてきた。(今の子どもたちにも)自信を持ってチャレンジしてほしい」。

そんな思いを持って教壇に立ったが、授業の中で見えた生徒の積極性に、手応えを感じた。「手を挙げてくれる子がとても多かった。失敗してもいいということが伝わったのか、発言することの恥ずかしさが払拭できているようでした」とうれしそうに話した。

同企画では「夢シート」と呼ばれる紙が配布され、“先生”へメッセージを送ることができる。加えて、渡した「夢シート」は、後日直筆の返事とともに生徒の手元に戻ってくる。

永島氏はこれまで授業を受け持った経験があり、生徒からのメッセージも「楽しみのひとつ」と言う。

約80人への返事には「10時間以上は使うんじゃないかな。2~3日に分けて回答すると思う」と想像しながらも「5年後、10年後に見返しても変わらずに大切な言葉だ、と思ってもらえるように。(僕の)言葉が少しでも力になるようにという思いで回答します」と話していた。

同企画に協賛している象印マホービン株式会社の西野尚至(ひさし)広報部長(57)は、活動に関わる意義を「象印を知ってもらいたいということと、熱中症予防の大切さを知ってもらいたいという思い」とする。また、それだけではなく「“先生”の人生の紆余(うよ)曲折を聞くと社員も共感して刺激を受けるんです」と社内のモチベーション向上にもつながっていることを明かした。【竹本穂乃加】