6大会ぶりの優勝を狙ったセレッソ大阪が、早すぎる4回戦敗退となった。今季残すタイトルの可能性は、現在5位につけるリーグ戦だけになった。

延長を含めた120分とPK戦の末、敗れたDF毎熊晟矢(25)は「国立を目指してやってきたので、それがなくなったのは悔しさが残る」と、複雑な表情を浮かべた。

昨年のルヴァン杯は国立での決勝まで進み、サンフレッチェ広島に逆転負けした。そのルヴァン杯は今季1次リーグで既に敗退し、毎熊だけでなく、選手は同じ国立で決勝が開催される天皇杯に懸ける思いが強かった。

PK戦で相手2人のシュートを阻止し、勝利を目前までたぐり寄せていたGKヤン・ハンビン(31)は「結果的に負けて、惜しいという気持ち。2本止めたが、負けたことがすべて」。韓国KリーグFCソウル時代のこの2年間は、120分戦ってのPK戦は不敗を誇っていたというが、神話は崩れた。

後半終了間際にFWレオ・セアラの起死回生のPKで同点に追いついたが、消化不良の展開は、今季ここまでのC大阪を象徴するかのようだった。

前半から湘南陣内で攻め続け、120分間で放ったシュートは相手の9本に対して21本。ホームで開催された優位性を含め、どんな内容であれ、複数得点を奪い、PK戦までに決着をつけたかった。

直接的な敗因として、決めれば勝っていたPK戦5人目で失敗したMF香川、6人目で外したFW北野らのプレーがクローズアップされるが、やはり決定力不足が喫緊の課題だ。

リーグ戦は中3日で迎える6日のFC東京戦から再開される。

レオ・セアラが出場停止のために、J2藤枝から加入し、この日途中出場で公式戦デビューとなったFW渡辺が、いきなり先発する可能性もある。

この試合でシュートを打てなかった反省を踏まえ、背番号35は「素直に悔しい。シュートの本数を増やし、質を高めていかないといけない。先発でも途中出場でも、やることは変わらない」と前を向く。

この2週間ほど、東京戦に向けてクラブは新聞やテレビで、集客のために告知活動を重ねてきた。現時点で1万8000人ほどの動員を見込む一戦は、今後のC大阪を占うことになる。

小菊監督は「PK戦で敗退となったが気持ちを切り替え、リーグ戦残り13試合で目標を達成するために、また準備したい」と、もう1度選手とともに再スタートを図る。