富士大(東北地区第2代表)が、関西学院大(関西地区第1代表)を2-1で破り、総理大臣杯、インカレ(全日本大学サッカー選手権)の大学サッカー2大タイトルで、史上初の東北勢初優勝の快挙を成し遂げた。
後半11分、CKからのこぼれ球をMF白和勇心(4年)が押し込み先制。同27分にはFW寺崎朋範(3年)が、今大会自身3点目のゴールを決め、2-0。アディショナルタイムに1点を返されたものの逃げ切り。1回戦で全国大会初勝利を挙げたチームが、2度のPK戦勝ちを含む激闘を制し、全国の頂点に輝いた。
寺崎の今大会3点目は、値千金の1発となった。「強豪相手に1点のリードでは危ないと思ったのでギアを上げた」。富士大は、Jリーグ内定の関西学院大DF濃野公人(4年)を中心にボールを回され、終始押される展開。「ボールを持たれる時間が長く(自分たちが)動かされた」と寺崎。それでも「『優勝したい』という全員の思いがスタミナにつながった」と疲労を感じさせないプレーと集中力を発揮し、相手を上回った。
「努力の結果です」。東北勢初の決勝進出に加え、準決勝・法大戦での0-2からの勝利にネット上では“ミラクル勝利”と呼ばれた。だが、寺崎は「納得いかないですね…」と不満顔。「毎試合、リカバリーやミーティングを重ねて臨んでいる結果だと思います」と優勝は必然だと強調した。それでも、アディショナルタイムでの失点を弱さと捉え「日本一に浮かれず、今後も突き詰めた練習をしていく」と気を引き締めた。
憧れの大学との対戦だった。寺崎は鳥栖ユース時代のチームメート関西学院大DF末次晃也(ひかる・3年)とプレーしたいと同大進学を志した。だが、選手層が厚く断念し富士大に進学。先日、富士大のグラウンドに練習で訪れた末次と3年ぶりに再会した。そのときに健闘を誓い合った2人の対戦が決勝で実現。「まさかこうなるとは思わなかった」。そして、憧れの同大を破っての優勝。「富士大に入学して良かった」と喜びをかみしめた。
全国制覇の称号を得た富士大が、続くタイトルのインカレ制覇を目指し、切磋琢磨(せっさたくま)していく。【木村有優】
▼富士大は直近の4大会で初戦敗退。高鷹雅也監督は「まずは1、2個勝とう」と選手に伝えた。2回戦で日本経済大を破った選手らに「任務完了だけどどうする?」と問いかけた。「勝ちたいです」と先を見据えていた選手の勢いは止まらず、東北勢初優勝。高鷹監督は「ついていけないです…」と苦笑い。それでも「インカレで上位に入るのが目標。優勝したその後が問題なので、構築していきたい」と意気込んだ。
▼DF藪中海皇主将(4年) 「最後まで諦めず、一丸となって戦った結果が優勝になってホッとしています。応援やサポートのおかげで優勝できました」



