筑波大がMF瀬良俊太(4年/大宮U18)の得点などで国士舘大を3-1で破り、首位を堅持した。

「アミノバイタルカップ2023 第12回関東大学サッカートーナメン」を制した国士舘大に対して、筑波大は序盤から優位に試合を進め、前半だけで3得点。後半は、目の前がかすむほど激しい雨の影響もあり、ややトーンダウンして1失点したが、崩れずに勝利を収めた。

筑波大はこの日、開学50周年を迎え、前座試合にOBらによる記念試合を開催したり、キックターゲットなどのブースを出したりするなど、部を挙げてさまざまな企画を展開した。

貴重な先制点を決めた瀬良は「開学50周年ということで、これ以上ない環境でやらせてもらってすごく楽しかったです」と感謝した。

今季リーグ戦でのスタメンは開幕戦ぶりだった。山内翔主将(4年/神戸U-18)、角昂志郎(3年/東京U-18)、内野航太郎(1年/横浜Y)が中国・杭州で開催中のアジア大会に臨むU-22日本代表に招集されて、この日は不在だった。「今年はスタメンじゃない試合も多いし、でもそういった中でこういって、出場することができて結果を出すことができて自分にとっては、すごくプラスになった」と手応えを示した。

前半17分、DF安藤寿岐(2年/鳥栖U-18)からの左クロスをトラップすると、左足を振り抜いてゴールネットを揺らした。今季から同部のテクニカルアドバイザーに就任した中西哲生の教えが大舞台で生きたという。「(ボールを)止めた後の感覚とか、シュート打つ前の感覚が上がってきているなと感じている。いろんな選択肢を持った中でゆっくりプレーできた」。

シュートを打つ際の口の形など細かい部分にもアドバイスが入るという。

「やっぱり大学生とかになると、なかなか技術とかそういうものの向上を感じることって難しいんですけど、それを感じられる。新しいことやらせてもらっている。すごくありがたいなって。ここ半年で成長したのはそこの部分です」

大宮の下部組織から大学に進み、守備を磨いた。この日は、周囲がワクワクするような創造性あふれるプレーを見せつつ、球際が強く、スピード感あふれる相手に負けずにファイトした。「やっぱり守備の所とかはちゃんとやらないと使ってもらえないので、この先も試合に出られない。自分は攻撃、特にボールを持ったときに特徴が出る選手なので、それ以外の所も意識的にやるようにしています」。

大学も最終学年になった。今後のビジョンを聞いた。「ビジョン…ビジョン…ビジョンかー」。10秒ほどおいて「将来は日本代表とかになりたいし、実際に筑波大からそうなっている選手もいるので、自分も不可能ではないと思っています。本気でやれば、可能なことだと思っているので、1つずつ、練習して、上に行けたらいいなと思います」。プレミアリーグ・ブライトン所属の三笘薫(26)やカタール・アルラヤン所属の谷口彰悟(32)ら日本代表に選出された偉大な先輩たちの背中を追い続ける。【佐藤成】