清水がライバル磐田にJ1自動昇格の座を明け渡した。アウェーで水戸と1-1。勝てば無条件で昇格が決まる今季最終戦で後半に先制点を献上。FWチアゴ・サンタナ(30)のゴールで追いつくも、痛恨のドローに終わった。磐田は2-1で栃木に逆転勝ちしことで3位から2位に浮上。東京Vも勝利し、清水は4位でJ1昇格プレーオフに回ることになった。藤枝は2-4でいわきに敗れた。
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手中に収めていた「昇格」がスルリとこぼれ落ちた。勝てば自動昇格だった一戦でまさかのドロー。敵地に駆けつけた5500人の清水サポーターは静まり返った。今季、練習試合を含めて4戦負けなしだった磐田が逆転での自動昇格。ショッキングな結末に選手らもうなだれるしかなかった。MF乾貴士(35)は「これが自分たちの実力」。しばらく続いた沈黙の後には「今は何も考えられない」と声を絞り出した。
今季の集大成と位置付けた最終戦で最悪の45分間だった。前半序盤から相手の鋭い出足に苦戦。ボールを保持され、押し込まれる時間が続いた。同30分過ぎから相手と同じ3バックに変更するも、守るだけが精いっぱい。リーグ2位の78得点を挙げた攻撃は沈黙し、シュート0本に終わった。秋葉忠宏監督(48)も「あのサッカーをしていたらどこにも勝てない。僕も含めて心の弱さがこういう結果を招いた」と悔しさをにじませた。
試合後は気持ちの整理がつかずにスタジアムを後にする選手も少なくなかった。ただ、下を向いている暇はない。25日のJ1昇格プレーオフ(PO)準決勝(アイスタ、午後1時)は5位の山形と対戦する。今季は1勝1敗。ホームでは3-0で快勝してた相手だ。DF山原怜音(24)は「幸いにもチャンスは残されている。昇格をつかむための準備をしっかりしたい」と顔を上げた。清水にとってPO進出は初めて。クラブの真価が問われる戦いになる。【神谷亮磨】
○…J2清水の本拠地からも声援を送り続けた。この日、試合会場の茨城から約300キロ離れたIAIスタジアム日本平でパブリックビューイングを開催。約3700人のファン・サポーターが集結し、バックスタンドから大型スクリーンに映るイレブンに向けて声援で鼓舞した。1-1の同点とした後半36分、この日一番の大きな歓声に包まれ、観客は両手を突き上げて歓喜。さらに攻撃を重ねてスタンドを沸かせたが、無情にも同点のまま試合終了。勝てば昇格の決まる一戦で、勝利の願いは届かず、オレンジで染まったスタンドから、ため息が漏れた。父とスタンド最前列で応援した加藤充喜くん(清水有度二小3年)は「悔しい。次(プレーオフ)こそ勝って昇格して欲しい」と、言葉少なく会場を後にした。



