日本サッカー協会(JFA)相談役の川淵三郎氏(86)の文化勲章受章を祝う会が30日、東京・国立競技場で行われた。

高円宮妃久子さま、森喜朗元総理、麻生太郎元総理をはじめ、424人が出席。川淵氏は妻康子さんを抱き寄せハグして、これまでの内助の功にお礼を述べた。この際に、声を詰まらせ、涙。2人が歩んできた道のりと特別な関係がひと目でわかる場面だった。

あいさつに立った川淵氏は「この場をお借りして、私事で大変恐縮ではありますけれど、私の妻に感謝の気持ちを伝えたいと思います」とし、「この20年、2人の勢力関係は完全に逆転しておりまして、康子さん、康子ちゃん、時にはお母さん、呼び捨てには決してしておりません。どうか、康子さん、ここへおいでください」と壇上の愛妻に話しかけ、中央へと、エスコートした。

2人は向かい合うと、「康子さん、61年間、献身的に僕を支えて…」と話したところで川淵氏がおえつをもらし、しばしの沈黙。「…いただいて、ありがとうございます」と涙声、やっとのことでこう述べると、会場は大きな拍手につつまれた。

「最後に1つだけお願いがあります。僕よりも1日でも長く、生きていてほしいと、それだけを約束してほしいと思います。どうか、よろしくお願いします。感謝の気持ちを込めて、ハグをさせてください」と、抱き合い、大きな大きな拍手を浴びた。

出席者、会場にいた人たちの中は、もらい泣きする人もいた。

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