2冠まであと1つ-。プレミア王者の青森山田が、2大会ぶり4度目の頂点をかけて、決勝で近江(滋賀)と対戦する。

近江は、3回戦で昨夏インターハイ優勝の明秀学園日立(茨城)、準々決勝で昨年の選手権4強の神村学園(鹿児島)などを倒してきた勢いのあるチーム。だが、DF山本虎主将(3年)は「いつも通りのプレーをできたら」と冷静だ。しっかりと勝ち切り、冬の国立で有終の美を飾る。

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青森山田は持ち味の堅守で、死の組Bゾーンからの4試合をわずか2失点で勝ち上がってきた。一方の近江は毎試合失点も準々決勝で4得点、準決勝で3得点と、攻撃的なチームだ。山本は「3バックで攻撃的。すごい変なフォーメーションというか、いろんな形でやってくる相手」と印象を語った。近江は「変」で、かつ初めて戦う相手でもある。山本は「選手権決勝へ勝ち上がってきた力がある。油断せずに、しっかり自分たちらしくやっていきたい」と気を引き締めた。

昨夏インターハイは3回戦敗退。掲げていた3冠の夢は、わずか3試合でついえた。だが、その敗戦が今の「青森山田」を形作っているといえる。山本は「明秀日立に負けてから、隙をなくすためにやってきた。どこの相手にも隙を見せないで戦うことをやってきたので、完成度の高いチームになっている」。敗戦から対戦校の「青森山田対策」を学び、それに対して自分たちで打開できるようにもなった。強豪校やJリーグ下部組織で構成されたプレミアEASTでは16勝3分け3敗で優勝。ファイナルではサンフレッチェ広島ユースを2-1で下し、1つ目の冠を手にした。

2つ目の冠は目前。「しっかり最後は、良い形で終われたら最高」と山本。青森山田中3年時には新型コロナウイルスの影響で全中が開催中止。「それがなくなったのはすごく悔しかったですけど、高校に入ってから3冠を取るためにやってきた。2冠しかなくなったが、あと1つ勝てば2冠。優勝して、あの優勝カップを掲げられるように」。4度目の頂点へ、青森山田に隙はない。【濱本神威】

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