初優勝を狙った「琵琶湖の海賊」近江(滋賀)が散った。

高円宮杯U-18プレミアリーグを制していた世代最強の青森山田に1-3で敗れた。滋賀県勢として2005年(平17)年度に「セクシーフットボール」野洲以来、18大会ぶりの栄冠が期待されたが、高校サッカー界のラスボスの牙城は高かった。

敗れはしたが、近江の選手たちは「Be Pirates(海賊になれ)」を体現した。

0-1の後半からMF山本諒(2年)を投入すると、持ち前の攻撃サッカーがさえた。MF浅井晴孔(はく、3年)がドリブルで巧みにゴール前に持ち込み、DFラインの背後へスルーパス。後方から一気に走りこんだ主将のDF金山耀大(3年)が縦へ持ち出し、ゴール前へグラウンダーのパス。最後は山本が右足で押し込み、1-1の同点とした。

18大会前の野洲の決勝点を彷彿させる次々と選手の動きが絡み合っての崩し。アシストした金山は「自分たちのサッカーが出せた。狙い通りのプレーだった」と満足そうに話した。

仲間との絆を大切に、勇敢に大きな敵に向かっていく。そんなスローガンに込められた挑戦的なプレーを国立の大舞台で最後に披露した。守っても絆の通り、全員で体を張った。

今大会3ゴールと大活躍したMF鵜戸瑛士(3年)は「近江という名前を全国に知らしめることができた。最高の仲間と監督がいたからこそ、ここまで来られた」と感謝を口にした。

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