青森山田が2大会ぶり4度目の頂点に立った。決勝で近江(滋賀)の挑戦を、昨秋から率いる正木昌宣監督(42)が退けた。黒田剛前監督(53=現J1町田ゼルビア監督)から引き継いでから約1年3カ月。チームを再び日本一へ返り咲かせた。

正木監督と黒田前監督は互いに負けず嫌いだ。前者は、高円宮杯U-18プレミアリーグEASTやインターハイ(全国高校総体)の傍ら、町田の結果を逐一チェックした。

「一番刺激をもらうのは黒田前監督。『自分も負けないぞ』っていう強い気持ちが出る」

昨季は3試合を生で観戦し、DAZNや速報でも結果を追った。

「うちが勝ってゼルビアが負けるというのは、勝負師のあの方にとっては絶対許されないことだと思う」

恩師の性格も熟知し、対抗心を燃やしてきた。

プレミアEASTとJ2リーグ戦で試合日が重なった11試合のうち、一方が勝ち、もう一方が負けたことはたった1試合しかなかった。町田の初J1昇格と青森山田の2冠は、続く師弟関係は、互いの存在が不可欠な関係性だった。【濱本神威】