J2清水エスパルスは8日、今季主将にFW北川航也(27)が就任すると発表した。下部組織出身選手では2020年のDF立田悠悟(25、柏)以来4年ぶり。クラブの伝統と歴史を知る生え抜きがJ2優勝でのJ1昇格に向けてチームを引っ張っていく。

強い決意をにじませた。この日は2部練習を消化。北川もフルメニューをこなし、居残りでのシュート練習では鋭い弾道で何度もネットを揺らした。練習後、取材に応じると、引き締まった表情で抱負を口にした。「幼稚園のころに初めて試合を見たのもエスパルス。中1からこのクラブでプレーしている。チームがいい方向に進めるように自分なりにやっていきたい」。

下部組織出身の主将は北川で3人目。自身はジュニアユースからプレーし、ユースを経てトップチームに昇格した。欧州移籍で1度はチームを離れたが、2022年夏に復帰。クラブ愛は誰よりも強い。秋葉忠宏監督(48)も信頼して指名した。「クラブの歴史を背負えるのは(北川)航也。象徴として引っ張っていってほしい」と期待する。

昨季はJ1昇格プレーオフ決勝で敗れる屈辱を味わった。北川は「あの悔しさは一瞬たりとも忘れていない」と雪辱に燃えている。キャンプ最終日(10日)に行う練習試合はJ1磐田が相手で、「結果にこだわりたい。自分もゴールに向かうプレーを見せていく」と語気を強めた。主将として臨む「初陣」は静岡ダービー。結果で今季に懸ける覚悟を示す。【神谷亮磨】

○…副将はクラブ史上初の「4人体制」となった。MFカルリーニョス・ジュニオ(29)とMF原輝綺(25)、DF山原怜音(24)、GK沖悠哉(24)が就任。指揮官は「(北川)航也を含めた5人でしっかりとやっていく」と説明した。サプライズは今季J1鹿島から加入した沖の抜てき。レギュラー奪取に燃える若き守護神は「まずはしっかりとキャプテンを支えたい。若手と経験がある選手をつなぐこともやっていく」と意気込んだ。