J2清水エスパルスがアウェーで熊本に2-1で逆転勝ち。3年ぶりの開幕戦勝利となった。

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泥くさく勝ち点3をもぎ取った。清水は逆転勝ちで開幕白星発進。秋葉忠宏監督(48)は「選手のタフさや、やってきたことを証明できた。ホッとしている」と胸をなで下ろした。

不運で始まり、最後に幸運が転がり込んできた。前半39分、FKで中央にクロスを上げられると、そのままゴールに吸い込まれて先制された。前半は0-1。劣勢にも動じなかった。DF山原怜音(24)は「自分たちの時間がくると思っていた」。ハーフタイムのロッカールームでは前向きな言葉が飛び交い、気持ちを切り替えたという。その思いが実った。

後半15分、自陣でボールを奪い、素早いカウンターを発動。ボールを受けた山原が左斜め45度の位置から右足でネットを揺らした。今季チーム1号の左サイドバックは「みんなの意思統一がされた得点だった」。さらに攻勢をかけると、同43分に右サイドを崩し、オウンゴールで決勝点。指揮官も「選手が最後まで走ってご褒美が待っていた」と目を細めた。

昨季は開幕7戦勝ちなしで監督が交代。序盤の出遅れが響き、J1復帰を逃した。勝てば昇格が決まる試合でも勝負弱さを露呈。秋葉監督は「今年は勝負強さに徹底的にこだわっていく」と始動からハードなメニューを課してきた。苦しい練習を乗り越えたことで芽生えたチームの一体感もある。ホーム開幕戦はJ3から昇格してきた愛媛が相手。山原は「弾みをつけて次はホームでできる。エスパルスファミリー全員で勝ちたい」と連勝を誓った。