今季初めてJ1に昇格したチームの勢いが止まらない。

町田ゼルビアが開幕から4戦負けなしで首位に浮上した。北海道コンサドーレ札幌に今季初の複数得点を挙げ、2-1で3連勝。黒田剛監督(53)は「見ている方々も、これが本物の力なのかどうなのか、っていう半信半疑な声もあったと思うが、ここで3連勝につなげることが、我々にとっては大きな意味で重要」と晴れやかな表情でうなずいた。運や偶然ではなく実力と、結果で示した。

パリ五輪代表候補が先制弾を決めた。後半8分にU-23代表FW藤尾が胸トラップから左足ボレー。代表活動参加前にエースとしての仕事を果たし「冷静に打てた。向こうでもチャンスはあると思うので、しっかり結果を残して競争に勝てるように」と見据えた。

J1初昇格での開幕から4戦負けなしは、02年に5連勝を挙げた仙台以来22年ぶり2クラブ目。そして首位浮上は、09年開幕節での山形以来15年ぶりとなる。その快挙を、札幌市出身の指揮官は「地元」で達成した。J1監督としての凱旋(がいせん)を「私の親、兄弟もみんな札幌にいるので、そういう意味では感慨深い。待ち遠しくしていた試合だった」と喜んだ。

もちろん反省も忘れず、2点リードから3戦ぶりの1失点を指摘した。ここから2週間のリーグ中断期間に入るが「もう1回初心に返り、チームが4連勝に向けて頑張っていけるように、再構築していきたい」。まだまだ旋風は止まらない。【保坂果那】

◆J1初昇格チームの首位 町田で3クラブ目。00年に東京が第1ステージ開幕3連勝で第2節で初浮上。第3節もキープし、第4節で初黒星を喫して2位に後退するも、第5節で勝利して再浮上した。年間最終順位は7位だった。09年には山形が磐田との開幕戦で6-2で勝利し、首位に立った。最終的に15位で残留した。