ヴィッセル神戸がゴールラッシュで今季ホーム初勝利を飾った一戦で、大卒ルーキーのMF山内翔(かける、22)がデビューした。

後半37分にFW宮代大聖(23)と代わってピッチに入ると、左ワイドの位置でプレーした。直後にDF酒井高徳(33)からのスローインを受けると、積極的に前にコントロール。ペナルティーエリアの右で相手DFに倒され、好位置でのFKを獲得した。

山内は、ファーストプレーを振り返り「デビューでもあるし、自分が(スローインを受けに)行ったら来るかなと思ったら、本当に来た(笑い)。経験のある選手たちから、プレーしやすいように助けみたいなものをもらいながらプレーできたので感謝したいと思います」。

神戸U-18から筑波大を経て、今季新加入。大学ナンバーワンボランチと称された背番号30は、この日初めてメンバーに入った。

吉田孝行監督(47)は「彼はいいサッカー観を持っている。攻撃陣の主力が4人けがしている中、おもしろいんじゃないかと思った」と、ボランチではなく左サイドの攻撃的な位置での起用を説明。前線でも仕事ができることを証明した山内のパフォーマンスには、手応えを得た様子だった。

日々の練習から目を引く姿勢の良いプレーは、Jデビューの舞台でも変わらなかった。

堂々とした動きを見せた山内は、同44分には左サイド深い位置をドリブルで突破し、その直後には自ら運んで思い切り良くミドルシュート。これはGKに防がれたが、ゴール枠内に飛ぶパンチ力のある一発には、スタジアムが沸いた。

22歳の新人は初戦を振り返って「入ってみたら『やっと立てたんだな』って。緊張よりはうれしい気持ちの方が強かったです」と喜んだ。

しかしその直後には「(試合に)出て終わるんじゃなくて、これからもっともっとチームの勝利に貢献できるようにしていかないといけないなっていう思いが強いです」。

新たな1歩を踏み出すことで芽生えた責任感を口にし、ここからのさらなる成長を誓った。【永田淳】