昨年11月に右膝手術を受けた北海道コンサドーレ札幌MF深井一希(29)が、351日ぶりの公式戦復帰を果たした。後半38分から途中出場。「不屈の男」の5度目の復活を、スタンドは大きな拍手で迎えた。チームは3-1で勝ったが、アウェーとの2戦合計4-7で5年ぶり4強を逃した。
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背番号8がピッチに帰って来た。会場内の大きな拍手と歓声に迎えられながら、深井がピッチイン。2-1の後半38分にDF馬場と交代し、MF駒井からキャプテンマークを手渡されると、照れながら受け取った。持ち前の安定感のあるプレーで勝利に貢献。同41分にはヒールでゴールを狙う姿も見せた。「歓声はすごいうれしかった。あらためてこのピッチは最高だなって思った」と、うれしそうだった。
絶望からはい上がった。昨年11月に右膝の手術を受けた。右膝は3度目、両膝合わせて5度目。前十字靱帯(じんたい)断裂、内側半月板損傷に加えて軟骨損傷もあり、初めて軟骨移植も行った。医師からは「復帰できるかわからない」と厳しい診断を告げられた。痛みは過去4度の術後に比べても「全然違う」。それでも選手人生の歩みを止めようとは思わなかった。諦めたくなかった。「必ず戻る」と自分を信じ、リハビリを続けて、この日を迎えた。昨年9月23日リーグ名古屋戦(1-1)以来、351日ぶりの公式戦だった。
ペトロビッチ監督(66)が「指導した選手でベストの1人」と評価する「カズキ」の復帰を誰よりも喜んだ。試合後の会見では、自ら深井について触れ「彼がここまで我慢強く続けてきたことを誇りに思う」。深井は「いつも僕の自信がなくならないように、すごいポジティブな声を掛けてくれた」。恩師からの愛情がリハビリ生活の励みとなった。
チームは準優勝した19年以来の4強進出は逃し、残すはリーグ戦のみ。現在19位で降格圏にとどまる。深井は「試合に出るために全員で競争が必要。ここからが本当の戦い。スタートラインに立った」。戦力の1人として、残りの試合は残留のために力を尽くす。【保坂果那】
札幌MF深井一希の復帰までの道のり
★23年11月8日 右膝前十字靱帯(じんたい)断裂、右膝内側半月板損傷、右膝軟骨損傷と診断され、札幌市内で手術を受ける。両膝合わせて5度目
★同11日 クラブから負傷発表。広島戦で選手、スタッフが「大丈夫俺たちも信じてる」の文字と背番号8入りの特製Tシャツを着てエール
★同月下旬 退院し、リハビリ開始
★24年4月 屋外でのリハビリ開始
★同7月12日 全体練習に部分合流
★同8月2日 全体練習に完全合流
★同月25日 札幌大との練習試合で実戦復帰
★同9月8日 ルヴァン杯横浜戦で公式戦復帰



