前回大会準優勝の新潟医療福祉大(北信越1)が流通経大(関東1)との激戦をPK戦で制し、初戦を突破した。延長戦でも決着がつかず、スコアレスで突入したPK戦。GK加沢宙也(ひろや、4年)が相手のキッカー3、4人目のキックを完璧に防ぎ、勝利に導いた。5日の2回戦(いわスタB)は、筑波大(関東8)と対戦する。
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重苦しい空気を守護神が一変させた。スコアレスで突入したPK戦。2-2から、先攻3番手のDF細井響主将(4年)のキックが大きく枠を外した。盛りあがる流通経大の応援団。しかし直後に加沢が黙らせた。相手キッカーの3、4人目のキックをいずれも右に飛んで連続セーブ。チームのキッカーに自信を与えた。「今回の相手は映像がなかなかなくて、データはそこまでそろっていませんでした。勘っすね」。勝利決定後は飛び込んで来るチームメートにもみくちゃにされた。
PKは運ではなく、技術だ。ともに準Vした前回大会と昨冬のインカレでは、それぞれ勝ち上がっていく上であったPK戦で1学年上のGK桃井玲(22、J3鳥取)が力を発揮し、決勝進出の立役者になっていた。同じようなシチュエーションになり、スタッフや仲間に「(桃井と比べるような)変な圧はかけて来ないで、と言いました」と笑ったが、常にリスペクトし、手本にしていた先輩守護神と同様、躍動した。
序盤から安定したセーブが光った。押し気味にゲームを進めた前半は声でリスク管理。徐々にスペースが空き始めた後半は守備の時間が増えたが、クロスや至近距離からのシュートにしっかりと足を動かして対応し、完封した。「1対1の対応など、監物GKコーチと取り組んでいることが発揮できた。チームとしても自信がつきました」。うなずきながら必然の勝利を振り返った。
中1日で迎える2回戦は、前回大会の準決勝で勝利した筑波大と再びマッチアップする。「相手も勢いを持って来ると思うので、それに劣らない勢いで勝ちに行きます」。関東の強豪を連破し、全国初優勝へ勢いを加速させる。【小林忠】
○…PK戦は4番手まで全て左利きを並べる奇策? をとり、4人中3人が成功させた。佐熊裕和監督(61)は「選手交代があったからたまたま」と笑った。好セーブを見せた加沢には「リーグ戦から安定していたし、今日も良かった。PKストップは得意みたい。良くやったよ」とたたえた。
○…細井主将(来季J1横浜FC内定)はアンカーでフル出場。「チームとしていい入りができた。課題はあるが、勝って反省できることはいいこと」。3番手を務めたPK戦ではキックミスがあったが「(加沢が)止めてくれると思っていたし、雰囲気があった。助かった」と感謝した。次戦に向け、「初戦に勝っただけ。先を見すぎず、目の前の試合に勝つことに集中する」と浮かれる様子はなかった。



