柏レイソルはFW細谷真大(24)が自身初のハットトリックを決め、逆転優勝へ望みをつないだ。

アウェーのアルビレックス新潟戦で2カ月ぶりの先発起用となった細谷は、前半20分の相手4人に囲まれながらのスーパーゴールに始まり、前半45分、後半10分と右足で立て続けに得点。3-1のスコアでチームを5連勝に導いた。首位鹿島が勝利したため、優勝争いは勝ち点1差のまま12・6の最終節へと持ち込まれた。

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冬を迎える新潟ビッグスワンで、ハクチョウならぬ細谷が派手に舞った。

前半20分にゴール前でパスを受けると、反時計回りにクルリとターンしながら右足シュート。最後は4人のブロックを打ち破り、ゴールネットを揺らした。前半45分にはMF小泉のラストパスから右足を振り抜いてゴール。そして後半10分には自身の壁も突き破った。右からMF中川が送ったパスをニアで受けると右足インサイドでゴール右隅へ流し込んだ。自身プロ初となる1試合3得点。まさにワンマンショーとなった。

「やっと取れたなって感じはあります。打ったら何かが起こると思っていた。3点取るのは意識していましたし、ホッとした気持ち。大喜びってほどではなかったです」。とがったピッチでのプレーぶりとは裏腹に試合後はぼくとつとした人柄をにじませて話した。

9月23日の広島戦(0-0)以来、2カ月ぶりのスタメン起用に気持ちは高揚した。今季は大柄なポストプレーヤーの垣田との併用でリーグ戦の先発は12試合止まり。同時先発もあったが、先発28試合の垣田でゲームの流れを作り、鋭くゴールに向かう細谷は後半の勝負どころで起用された。各自の特長を最大化させ組織力を高めるチームゆえ、そこは分業制の意味合いが強い。実際に今季J1で5得点以上している49選手の90分得点率を見ると細谷は0・74点(11点、1329分)で、京都のラファエル・エリアスの0・80点(17点、1908分)に次ぐ数字を残している。

それでも出場時間が短い細谷を気遣い、リカルド監督から歩み寄り説明したこともある。「真大は嫌な顔を一つもしたことがない。適切な行動を取ってくれた」。厚い信頼感を築く上で誠実かつストレートに伝える。そして勝負が懸かる最終盤で、熱血指揮官は9番を選択。「中断期間中の試合で素晴らしいパフォーマンスを継続的に見せてくれた」。細谷もまた期待通りに“一発回答”した。

泣いても笑ってもラスト1試合。6日、ホームに天皇杯覇者の町田を迎える。11年以来2度目の優勝へ、勝つことが大前提。その上で鹿島の結果を待つことになる。エースは「勝たないと優勝はない。しっかり目の前の試合を意識しながらやりたい」。14年ぶりの歓喜の舞へ、レイソルには細谷がいる。【佐藤隆志】

◆細谷真大(ほそや・まお)2001年(平13)9月7日、茨城県牛久市生まれ。柏の下部組織で育ち20年にトップ昇格。21年7月、横浜戦でプロ初得点。J1通算164試合42得点。国際Aマッチ9試合3得点。昨年のパリ五輪代表でもエースとして1得点し、8強入りに貢献。準々決勝の強豪スペイン戦では、鮮やかなゴールを決めたがオフサイドで取り消し。あまりに微妙な判定から「細谷の1ミリ」とも呼ばれた。177センチ、69キロ、血液型A。

◆優勝の行方 鹿島は最終節で横浜に勝てば無条件で優勝。引き分けた場合は柏が町田に引き分け以下で優勝が決まる。ともに敗れると、そのまま鹿島の優勝となる。柏は勝利し、鹿島が引き分け以下なら逆転優勝。引き分けて鹿島が敗れると勝ち点73で並び、得失点差の争い。第37節時点で鹿島が得失点差+26、総得点56、柏は得失点差+25、総得点59となっており、仮に鹿島が1点差で敗れ、柏が引き分けると、得失点差も+25で並び、総得点の争いになるが、この場合は柏が上回りそう。